JPモルガン、「アップルカード」事業の取得巡り協議中-関係者
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Appleとゴールドマンのカードに関する提携解消は、もともとApple側から申し入れたものではなく、ゴールドマン側の事情(戦略変更)によるものなので、Appleとしては①自社で銀行免許を取得して引き取るか、②銀行免許を持つ会社を買収して内製化するか、③ゴールドマンに代わるプラグイン金融(embedded finance)サービスの提供先を探して、Appleカードの顧客から見て表面的には何もなかったかのように事業を継続するか、のいずれかの選択肢を選ぶということになります。
カードには与信機能があるので、Appleカードの事業で組む提携先(金融機関)には、既存のカード債権をポートフォリオとしてセットで引き取ってもらう必要があるわけですが、その候補先としてJPMが浮上してきたということなのでしょう。その価格(X)は額面に対して100ということには必ずしもならず、新たな引き取り先によるDD次第ですが、どういう価格になるか(特にX<100となるか?)には、ゴールドマンの与信姿勢を知る意味でも注目したいと思います。
Apple Offers Exit Ramp to Goldman for Troubled Card Accord
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-11-28/apple-is-preparing-to-exit-goldman-credit-card-pact-wsj-says元々多くのカード発行会社がApple Cardの入札に参加しましたが、最終的には赤字覚悟のGoldman Sachsが落札しました。当時、Goldman Sachsにはクレジットカードの専門家はいませんでした。
しかし、その赤字ゆえにGoldman Sachsは消費者金融ビジネスをすべて売却することになりました。すでにBNPL後払いや個人投資家サービス、GMのクレジットカードのポートフォリオなどを次々に売却しています。
これまではAmexとの交渉が噂されていましたが、JPMorgan Chaseも加わったのでしょう。Apple Card売却には、Goldman Sachsが提供していたApple Pay Savingsという貯蓄口座もついてきます。