スキマバイトのタイミー、グロース上場へ
AI要約
- 1東京証券取引所は6月21日、タイミーのグロース上場を承認
- 2タイミーはスキマバイト事業を手掛ける会社で、2017年設立
- 322年10月期に黒字化し、23年10月期の業績も順調とのこと
コメント
注目のコメント
下記がタイミーの新規上場のための有報(Ⅰの部、と呼ばれるモノ)。
気になった点を箇条書き。
・こういったプラットフォームはそうなりがちだが、売上の増加がエグイ…5.6倍(2020/10期)→2.8倍→4.8倍→2.6倍(2023/10期)
・ワーカーは正社員が2割とか40代以上が半分弱あたりが意外。性別はちょうど半々
・業種は物流44%、飲食26%、小売21%の3つで9割(2021年度売上の1割超がヤマト、ただその後1割以上の顧客はない)
・P10の四半期コホートは気になる。1Q(11-1月)が年末年始で繁忙期。ただ、ミルフィーユ的にはモノタロウのようなアップセルが効き、季節性考慮してもどんどん伸びるわけではなく、ちょっと下がり気味。メルカリハロ開始は2024/3だが、Peak to Peakで線を見ても、その前からの傾向だし今後の競争激化リスク
・社員は約900人、営業500人弱。CS50人弱だが、パートタイム含むと200人弱。それでこれだけの顧客を扱っているのか…
・累計登録ワーカーは775万人に対して、累計アクティブワーカーは106万人と、一度でもアクティブとなる比率は14%。顧客側は累計登録25.4万拠点、累計アクティブ14.8万(同58%)
・BSは短期借入(70.5億円)と売掛金(20.8億円)・立替金(65.0億円)が多い。入出金が店舗からもワーカーに対してもほぼリアルタイムな部分だろう。なので営業CFは拡大期にマイナスになるが短期なので調達含めたリスクも大きいものではなさそう
・粗利率95%。マッチングや立替はするが、ワーカー役務提供は売上計上されないのだろう(CtoCの直接)。テークレートどれくらい?
→約3割との記載。4月までの6カ月で売上125億、なので400億円超の労働価値。平均時給は出てないが1200円とすると8時間換算で400万人日、1日で2万人日分
・創業者小川氏の保有は資産保有会社併せて約3割。事業会社ではMIXI(5.6%)、エン・ジャパン(3.5%)、サイバー(3.5%)など。コンプラ違反で退任の守安氏も1%…
・上場で公募はなし、売出は発行済み株数に対して34%(OAが5%)
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/mklp770000009tk0-att/07Timee-1s.pdf新規上場のタイミー2023年10月期実績
売上高161億円(YonY+160%)
当期純利益18億円
バリュエーション的には今期予想で考えたい。
人材関連でPERが最も高いのはリクルートの予想PER40倍。
タイミー、今期、当期純益30億円仮定でかけると時価総額1,200億円。日経報道では、1,300〜1,500億円との見立て。
成長率でプレミアムがどれぐらいつくか。タイミーは約30%以上を手数料で取るモデル。バイト側の時給は相場よりちょいプラスαくらいだが企業側はそこそこ支払っている。タイミーは、ファーストペンギンで、知名度はあるしユーザーもいる。ネットワーク効果も効くが、結局決定的なユーザーの選定基準はマッチングしやすいかどうかを除けば、バイト側は時給で企業側は手数料。ここを大手が参入してきてダンピング合戦になると中々のレッドオーシャンになる。
札束の殴り合いになると大手が有利。私がタイミー側ならメルカリ、リクルートの追随を受けそうなこの状況で打つ一手は、Zホールディングスとの資本提携とPayPay連携を考える。そうすればUserはPayPayポイントがついたり、企業はPayPay手数料が優遇されるなどの有効な打ち手が沢山でき、PayPay経済圏の中に入ること自体が参入障壁にもなる。さらには、この手のチキンレース・札束Gameにおいてソフトバンクグループは、メルカリ・リクルートと比べて圧倒的に強い。