【先人に学ぶ】「自分も知らない自分」を引き出す日記とは?
NewsPicks編集部
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戦時中の祖父の波乱に満ちた日記、恋多き高校生の赤裸々な心情、文豪が晩年に記した「◯」と「×」の意味するもの......。日記には、歴史の教科書にも、SNSにも記されない、リアルな「その人」が隠れています。さまざまな事例から、日記のどこに、書き手の「人となり」が表れるのかをひもときます。
母がクモ膜下出血で倒れてから、亡くなるまでの2年間、母の日記は私の心の支えでした。
日記といっても、その日にあったことや感じたことを3,4行、書きとどめたノートです。おそらく、自分の記憶のために書いていたのでしょう。
趣味の俳句で友人の作品に感心したとか、ボランティア活動で素敵な人にあったとか、他愛のない話題の中にも、日々の生活を楽しむ前向きな言葉で溢れていました。大好きな日本画を私と一緒に見に行った日は、いかに作品を堪能したかなどが細々と綴られていて、もっと頻繁に連れて行ってあげればよかったと思いました。
親から独立すると、時々会ったり、たまに旅行したり、電話したりする以外は、接点はなくなり、まして親の内面を知る機会はほとんどありませんでした。
母の日記は、私が思っていたより、はるかに充実して楽しい老後を母が送っていたことを教えてくれました。
亡くなるまでの2年間、もう言葉を発することができなくなった母に、日記にあった話題を取り上げて話し、せめてもの埋め合わせをしました。
明るく前向きな母のままで旅だったと信じています。「ことば」日記をつけようかな。当日気になったことば、感銘を受けたことば、不明なことばを単語帳のようにつけていく。
昨日気になったことばは「独座大雄峰」生きていることはすばらしい。