エスカレーターの片側を歩く人はブロックしていい…医師が「片側空けはマナーではなく因習」と断ずる理由
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注目のコメント
主張は正しくてもこのような攻撃的な文章は説得力どころか反発を招くのではないでしょうか。内心片側開けはよくないなぁと思っている人も、このような主張を読むと一瞬むかっとしてしまいそうです。書いた方は医師だということですが、このようなお医者さんには診てもらいたくないし、内田樹氏を主張の根拠にしているあたりも、声高に自分の正しさを訴えられればそれで自己満足するタイプの共通点でもありそうです。
「全国の鉄道各社が同時に本気になれば、1年もあれば人々の行動は変えられるだろう」
いやあ、エスカレーターの片側を空けるエスカレーター・エチケットは世界中で見られる慣習で、これを止める試みも各国で行われるもハッキリした成果は聞かない以上、この見方はちょいナイーブに楽観的。
https://en.wikipedia.org/wiki/Escalator_etiquette
このエチケットの発祥はロンドンの地下鉄駅に設置された初期のエスカレーターのデザインにあるという説があります。このエスカレーターでは乗客は真っ直ぐ直進して降車出来ず、代わりに下り場には斜めの壁がありました。こんな感じ。
https://www.ltmuseum.co.uk/collections/collections-online/photographs/item/1999-9917
この壁に押し出される形で乗客はエスカレーターの左側に降車する。ですので左側に乗った人は右側に乗る人がスムーズに左側に移動できるように、積極的に進んで下りる必要があった、という解説がなされます。
ただこの説もこんな奇妙なエスカレーターは現在ではもう存在しないのにも関わらずエチケットは未だ世界中で実践されている以上、怪しい。もっと人間の心理学的側面に着目すべきだと思います。
Why You Shouldn’t Walk on Escalators
https://www.nytimes.com/2017/04/04/us/escalators-standing-or-walking.html
上記のNYTの記事で興味深い指摘は、現在の都市空間では人は知らない人の隣に立つよりも横を通り過ぎるか後ろで待つことを好む、相席を避けるというごく一般的な心理です。
もう一つは合成の誤謬。仮にエスカレーターの片側が空いている場合、体力のある人には歩いて上ることが時間短縮となって合理的。また立って乗りたい人には歩く人との衝突を避けるために片側に揃って立つのが、やはり合理的。
ただこうした個々人の合理性に基づいてエスカレーター・エチケットを実践されてしまうと、全体としてはエスカレーターの本来の輸送容量を無駄にする不合理になってしまうという話。エスカレーターと階段が併設されていたら常に階段を使っていますが、
エスカレーターの立ち止まりが禁止されたら階段を使う人が増えると思うので、
そのような面で今回の流れは良いですね。