服用後に性交渉、相手が妊娠 胎児に奇形の恐れある薬、初事例
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レブラミドは血液腫瘍の治療に使う薬で、サリドマイド類似薬であり、催奇形性が確認されているため、服用にあたっては男性も女性も避妊を遵守するよう添付文書に記載されています。
今回は、服用していた男性が避妊をせずに性交渉をして相手の女性が妊娠した、とのことですが、避妊遵守の説明が十分でなかったのか、説明は十分に受けていたが男性が守らなかったのかは定かではありません。
催奇形性があるため避妊を、というのはもちろん重要なのですが、
妊娠を望んでいるわけでなければ、薬の服用にかかわらず、男女ともに避妊をする、というのは大事なことです。
催奇形性にかかわらず、望まない妊娠自体が女性にとってはライフプランに大きく影響します。
そして服用中は妊娠を避けるべき、もしくは妊活前に変更するべき薬はレブラミドのほかにもあるので、常用薬がある方は妊娠に影響しないかを確認しておくことをおすすめします。産婦人科医として、細かいところも読み解きながら解釈が必要だと思います。
会社のリリースはこちら。
https://www.bms.com/assets/bms/japan/information/news_240514.pdf
・レブラミドは服用した場合、治療開始時から【終了4週間後】までの避妊が規定されている
・しかしこの事例では【治療終了直後】から避妊なしの性交渉を行っていた
→記事では【服用中に性交渉をした】という表現に見える
・症例経過から胎児がレブラミドにさらされた可能性は低いと考えられている
・処方医が処方ごとに遵守状況を十分に確認していなかった(一定の講習を受けて登録した医師しか処方できない)
→改めて周知発出が行われた
という流れです。
終了後4週間控えなければならない、という点が十分に遵守されなかったということであり、少し誤解を招きそうな表現で注意が必要です。すでに後発品も出てるので、成分名のレナリドミド で注意喚起するべきだと思います。
確実に女性は触ったらいけないモノで、男でもグローブボックスのグローブ越しにしか触ったらいけない凶悪な物質です。
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