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イラン墜落、「視界ゼロ」で激突 大統領予定優先で飛行

共同通信
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  • 谷村 研人
    国内航空会社 気象予報士

    いわゆる小型航空機やヘリコプターが事故を起こす典型的なパターンだと言わざるを得ません。事故の経緯としても編隊を組んでいた3機でとりあえず高度を上げて雲の上に出ようとしたところ、大統領機のみ上がり切れず山にぶつかったという、何とも初歩的なものです(飛行中に雲に入ってしまった場合は雲のなかった方向に引き返すか、高度を下げて着陸するかというのはパイロットならまず初めに習う、基礎中の基礎です)。
    とはいっても本来の任務を果たしたいと思うのが人間で、この手の事故は日本でも枚挙に暇がなく、しびれを切らした国土交通省が全国の民間事業者はもとより消防や警察、海上保安庁といった国の組織も含めて2021年に「有視界飛行方式による運航の安全確保について(空間識失調関連)」という通達を出すような事態になっています。

    雲の中に入ると障害物やほかの機体が見えなくなるため危険なのですが、それ以上にパイロットの平衡感覚が失われ、上昇しているつもりが下降していたり、あさっての方向に飛行していることがあるから危険なのであり、よく「空間識失調(Vertigo)」と呼ばれます。私たちの平衡感覚は例えば三半規管から得られますが、等速運動中には加速度がないために静止状態と区別ができなくなります。雲中で実はゆっくり旋回しつつ下降しているのにそれに気づかなかったり、一瞬視界が開けるなどして姿勢を戻しても、すぐにまた雲に入り逆の操作を行ってしまったりするなどして高度を失い事故になります。雲中飛行では自分の感覚は当てにならないので計器をしっかり見て飛行すること、そもそも有視界飛行が前提であれば速やかに雲のある場所から引き返すことが基本です。操縦の上手下手は関係なく、慣れたパイロットや教官クラスでもこうした事故に巻き込まれることはよくあり、雲中飛行の難しさを示しています。

    今回ヘリコプターそのものが経年機で、故障があったのではないかという指摘もありますが、まず疑わしいのは雲中飛行による事故だということです。そもそも国境のダムへの往路からしてそれなりに危険を冒した飛行であったようにも見受けられます。やはり計器気象状態でも飛行に支障のない輸送機などを利用し、余裕のないスケジュールなのであればアゼルバイジャン側の近隣の都市であるザンギランの空港を利用するべきでした。総合的な要人輸送計画の手落ちと言えるでしょう。


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