基本からわかる観光立国ビジョンへの勝手提言

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観光業は30兆円の巨大産業。成長産業で、外貨を稼げる産業。基本的なことからデータを使ってわかりやすく解説していきます。

砂田憲治

KabuK Style Inc. Founder & CEO

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宿泊統計3月：外国人宿泊数は2019年比133.4%。インバウンドの旅行消費も引き続き好調。

全体に公開・2024/05/13

4月30日に観光庁が宿泊統計調査（2024年2月第2次速報、2024年3月第1次速報）を発表しました。2024年3月の宿泊数は5,486万人泊と2019年同月比107.2%となりました。日本人宿泊数は3月は4,216万人泊（2019年同月比101.3%）、外国人宿泊数は1,270万人泊（2019年同月比133.4%）となりインバウンドが好調なことが顕著でした。稼働率はコロナ禍前まで上がっていない？上げていない？客室稼働率全体は2019年の水準まで回復しつつありますが、まだコロナ前には戻っていない状況です。そのような中、宿泊費用は消費額牽引の一因となりインバウンドの旅行消費額は過去最高に達しました。2024年1-3月期の訪日外国人旅行消費額は1兆7,505億円（2023年同期比73.3％増、2019 年同期比52.0%増）と推計されます。インバウンドの旅行消費額が伸びる中、宿泊業界では人手不足の問題が存在します。そのため、宿泊施設は稼働率をむしろ抑え、平均客室単価（ADR）を上昇させることで、売上を伸ばす戦略をとることが多くなっています。

旅のサブスク®「HafH」、会員10万人、宿泊予約50万泊を突破。 HafHしばらく旅に出ます。

全体に公開・2024/04/30

今日は、私が手がけている旅のサブスク®️ HafH（ハフ）について、5周年を機に大きな決断をしましたので、それについて書いています。 2019年の創業以来、皆様のご支援のもと、仲間たちと多くのチャレンジを続けてきたことで、HafH（ハフ）が10万人を超えるユーザーをもつ規模のサービスへまで成長したことを大変嬉しく思います。しかしながら、今回新規会員の募集の停止という判断をいたしました。本来であれば、成長を続けながらサービスの抜本的な改修に取り組めることが一番でありますが、限られたリソースの中で、安定したサービスを維持しながら、市場のダイナミズムに向き合うためには、成長を一時我慢してでも足下を固めるべきであるとの判断に至りました。忸怩たる想いです。

宿泊統計7月：宿泊数は2019年比102%でプラス成長へ。供給力はまだまだ成長余地あり。

全体に公開・2023/09/04

8月31日に観光庁が宿泊統計調査（2023年7月第1次速報、2023年6月第2次速報）を発表しました。2023年7月の宿泊数は5,282万人泊と2019年同月比102.0%となりました。日本人宿泊数は4,219万人泊（2019年同月比102.9%）、外国人宿泊数は1,063万人泊（2019年同月比98.4%）となりました。 7月の宿泊数としては過去最高！実は、5,282万人泊という数値は7月としては過去最高の数値です。夏休みの8月は他の月に比べて突出して多くなりますので、それを除けば全体としても過去最高。今年8月の数値がどの水準に達しているか楽しみなところです。過去最高は2019年の6,323万人泊。

訪日外客数7月：２ヶ月連続200万人超え！中国除くと初めてコロナ禍前を超えた！

全体に公開・2023/08/18

8月16日（水）に日本政府観光局（JNTO）が7月の訪日外客数（推計値）を発表しました。前月6月の207万人に対して、7月の訪日外客数は232万人とさらに増加、2020年1月以来、実に3年半ぶりの200万人を超えた6月に続いて、２ヶ月連続の200万人超えとなりました。2019年7月の299万人に対する回復度は78%の水準です。中国を除く2023年7月の訪日外客数は200万人と、2019年7月の194万人に対して+3.4%となり、2019年水準を初めて上まりました。団体旅行解禁。中国の回復が始まる！中国人の訪日は、2019年7月の105万人に対して、2023年7月は31万人となり、まだ回復度は３割に過ぎません。しかし、8月10日に団体旅行が中国政府から解禁されたことで、すでに足下増加が始まっており、8月はさらに増加すると見られます。中国は日本渡航に際してビザが必要な国ですので、その発給までは1週間程度は必要であることから、実際の波及は9月旅行になってきます。9月にどれだけ回復を見せるかが一つの焦点となります。次の焦点は、2月の中国の旧正月に向けて、どれだけ日本政府によるビザ発給緩和が進むかです。これがある場合には、2024年は中国も2019年対比でプラスの数値になることが確実であると考えられます。

中国、訪日団体旅行を3年半ぶりついに解禁。インバウンド爆発の規模を推定。旅行インフレ間違いなし

全体に公開・2023/08/12

8月10日、中国政府が3年半ぶりに日本への団体旅行を解禁しました。今回、日本を含む78カ国・地域の解禁対象リストを発表。これまでも段階的に解禁してきており、先に東南アジアやアフリカなどへ行けるようになっていましたが、今回の解禁には人気の高い米国や韓国、西欧の多くの国へ行けるようになった格好です。日本への渡航について、個人旅行はすでに解禁されており、6月には208,500人（出所：日本政府観光局（ＪＮＴＯ）発表の推計値）の訪日がありましたが、団体旅行はコロナ禍が拡大した2020年1月から制限されており2019年同月比で24%の回復にとどまっていました。中国は日本入国へのビザ免除の対象にはなっていないため、まだ2019年と比べて制限が完全にない状態というわけではありませんが、団体旅行の解禁でかなりの増加が見込まれます。

宿泊統計6月：宿泊数はついに2019年超え！中国人宿泊数が５割伸びている。

全体に公開・2023/08/08

7月31日に観光庁が宿泊統計調査（2023年6月第1次速報、2023年5月第2次速報）を発表しました。2023年6月の宿泊数は4,626万人泊と2019年同月比101.0%となりました。2022年12月には99.9%、2023年3月には99.1%まで達していたところ、ついについに100%を超えました！！！日本人宿泊数は、2019年同月比101.7%。日本人宿泊者数は3,682万人泊（2019年同月比101.7%）となり、2023年3月の103.6%以来の水準となりました。成長市場というわけではありませんので、年2-3%成長は健全な位置で成長しているという整理でよいかと思います。外国人宿泊数は、2019年同月比98.4%でもう一声！

第三話：旅行予約サイト大手のブッキングとエクスペディアの明暗。価格が安いことが重要ではなかったという意外な事実。

全体に公開・2023/08/06

訪日外客数6月：3年半ぶり200万人超え！中国からの訪日客を除くと過去最高水準。

全体に公開・2023/07/24

7月19日（水）に日本政府観光局（JNTO）が6月の訪日外客数（推計値）を発表しました。前月5月の189万人に対して、6月の訪日外客数は207万人と増加、2020年1月以来、実に3年半ぶりの200万人超えとなりました。いつものグラフに中国を除く数値を加えてみました。これによると、中国を除く2023年6月の訪日外客数は186万人と、2019年7月以来の数値となりました。中国人の訪日は、2023年6月が20万人に対して、2019年6月は88万人でしたので、もし中国人訪日客数が2019年並みだったとしたら、過去最高水準だったと言えます。しかし、地域別に見ると、増加しているところ、過去最高水準まではきたが足踏みしているところと様々です。前回指摘したとおり、各国・地域別に日本という製品の販売戦略が求められると考えるのは、中国を除けばすでにコロナ禍前に至っているためです。

宿泊統計5月：日本人は停滞も、外国人は回復続く。

全体に公開・2023/07/16

6月30日に観光庁が宿泊統計調査（2023年5月第1次速報、2023年4月第2次速報）を発表しました。2023年5月の宿泊数は5,011万人泊と2019年同月比97.5%となりました。2022年12月には99.9%、2023年3月には99.1%まで達していたところ、4月が89.8%と沈んでいたので5月は回復した形です。なかなか100%超えませんね。日本人宿泊数は2019年同月比98.7% 日本人宿泊者数は4,114万人泊（2019年同月比98.7%）となり、高い水準が続きます。 GWのある5月は例年繁忙期で、宿泊数は一年の中でももっとも多い時期となります。国内市場が成長するわけもないので当たり前なのですが、2019年比で見ると、2022年10月に100%を超えて以降、100%前後の状況が続きます。しかし、まだ旅行支援は続いていますし、これだけカンフル剤を打っていても100%前後というのは、実際的には市場が縮小しているとも考えられます。旅行市場の拡大のためには、インバウンド需要の増加にしか未来が見出せないということがこの状況を見てもわかります。

訪日外客数5月：前月比マイナス。インバウンド需要回復鈍化。回復戦略から成長戦略への変換が必要。

全体に公開・2023/06/26

6月21日（水）に日本政府観光局（JNTO）が5月の訪日外客数（推計値）を発表しました。前月4月の194万人に対して、5月の訪日外客数は189万人と減少しました。2019年5月対比では-31.5%と、７割程度の水準までしか回復していないところですが、足踏みです。この数値は、中国の回復が道半ばだという点を除いて考える必要があります。中国については、中国政府が団体ツアーの日本旅行を許可していないため、2019年5月に対して2023年5月は-82.2%とまだ２割程度までしか回復していません。今日はこの点は置いておきましょう。今日は二つの点を確認しておきたいと思います。韓国からの需要は引き続き弱い。一つ目は、中国からのインバウンドがふるわない中で、インバウンド需要回復を牽引し、5月現在、訪日外客数の約３割を占める韓国について、前回かげりが見えると指摘した件のアップデートです。前回のトピックでは、韓国からの訪日外客数はすでにコロナ禍前の数値を回復していることから、こと韓国についてはすでにアフターコロナであるが、2018年の過去最高数値を目指す前に減少に転じていた点を確認しました。

宿泊統計4月：外国人の宿泊消費額はコロナ禍前を超えた！宿泊数は2019年比92%まで回復。

全体に公開・2023/06/05

5月31日に観光庁が宿泊統計調査（2023年4月第1次速報、2023年3月第2次速報）を発表しました。2023年4月の外国人ののべ宿泊数は1,038万泊と、2019年の同月比92%の水準まで回復しました。日本人ののべ宿泊数は2019年同月比94%とやや減少。すでに100％を6ヶ月連続でほぼ超えておりましたので、一旦落ちつきです。5月のGW需要がどれほど盛り上がっていたのかが確認したいポイントです。コロナ禍での貯蓄による消費需要は幅広い形で戻っていたのか、それともコロナ禍貯蓄は偏在であり、全体としての需要の戻りはなかったのか、確認したいと思います。今回、注目したいのは、訪日外客数は2023年4月に194万人と、2019年の292万人に対して33%減（出所：日本政府観光局）であったのと比較して、宿泊数の回復が顕著だという点です。これは、つまり、来日一回あたりの宿泊数が伸びていることを意味します。月超えなどを無視した単純計算ですと、2019年の3.9泊が5.3泊まで伸びている状況です。

訪日外客数：インバウンド需要回復に曇りが見える。前月比107%と過去最高を更新しながらも楽観視できない理由。

全体に公開・2023/05/26

5月17日（水）に日本政府観光局（JNTO）が4月の訪日外客数（推計値）を発表しました。2019年4月の292万人に対して33%減の194万人となりました。まだコロナ禍前の回復とはいきませんが、3月に引き続きコロナ後の最高値を更新しています。国際定期便がコロナ禍前の約６割まで運行便数が回復するなど、日本旅行への需要回復にあわせた供給力の回復が着実に訪日外客数を押し上げました。いくつか地域ごとの状況に言及すると、中国は引き続き日本行きの海外旅行商品の販売禁止措置が継続されているほか、自国民の日本からの入国については陰性証明書の取得が求められていた（4月29日に緩和）等ありますが、前月比43%増加と、それでも日本への渡航需要が染み出してきています。2019年比で、まだわずか15%の水準。中国からの需要回復のタイミング次第で、2023年のインバウンド需要の着地は大きくぶれます。とは言え、着実に増えてくるでしょうから、コロナ禍前の年間3,000万人達成自体は時間の問題だと思います。

宿泊統計3月：外国人宿泊数が2019年比83%まで回復。日本人は完全にアフターコロナ。

全体に公開・2023/05/08

4月28日に観光庁が宿泊統計調査（2023年3月第1次速報、2023年2月第2次速報）を発表しました。2023年3月の外国人ののべ宿泊数は789万泊と、2019年の同月比83%の水準まで回復しました。日本人は4,183万泊と、2019年同月比で100.5%と、昨年10月以来、ほぼ100%を上回る水準が続いており、もうアフターコロナだと言ってよい状態になりました。まだ一部全国旅行支援による政府サポートが続いておりますが、もうこれ以上の支援は不要であると私は考えます。独り立ちしないとですね。全体では4,973万泊と2019年同月比97.2%と、ほぼほぼ回復したと言ってよいでしょう。水際対策の緩和や、中国からの入国増加も期待され、外国人宿泊数のさらなる増加はまだ続くとみられますから、日本もいよいよ議論が成長戦略に向かいます。

私がもういちど就職活動するなら - スタートアップをファーストステップに選ぶべきでないと考える理由 by 投資銀行に12年、からのスタートアップ起業家

全体に公開・2023/03/06

４月から大学4年生を迎える、就活について悶々と思い悩まれているであろう皆様へ向けてのメッセージ企画。前回は森永康平さんが【経済アナリストはどのように就活を乗り切るのか？】という記事を書いてくださいました。そのバトンを受けまして、今日はワールドワイドな視点から、日本のマクロ経済を投資銀行家という立場で見てきた私が、これからのキャリア選択のマインドセットについてご提案したいと思います。私のバックグラウンド 2006年に大学を卒業して、はや17年。日系の証券会社に入社し、リーマンショックで大変な時期を迎えたことで業界構造が変わり、2011年に外資系の投資銀行に転職して7年。12年間ドップリと資本市場、特に株式市場に向き合ってきました。執行したディールは数百件にも及びます。

宿泊統計12月：宿泊数が2019年並みの水準まで回復。日本人は2019年比で３ヶ月連続増加。

全体に公開・2023/02/13

1月31日に、観光庁が宿泊旅行統計調査（このトピックスでは「宿泊統計」と呼んでいます。）の2022年12月速報値を公表しました。 2022年12月の延べ宿泊者数は、コロナ前の2019年同月と比べて99.8％の水準となる4,703万人泊と、コロナ前と同水準に到達しました。これは、前月11月の4,609万人泊よりも多く、３ヶ月連続の増加です。日本人は、2022年10月にコロナ禍前の2019年の同月比でプラスに転じ、その後３ヶ月連続で2019年に比べて多い宿泊数が続きます。12月は感染者数の増加もあり、旅行者の気分にマイナスの影響を与えることも懸念されましたが、あけてみれば、全国旅行支援もあり、コロナ禍は関係のない水準に戻り、すでに成長軌道に乗っていると言えます。

訪日外客数：137万人来日し2019年比54%まで回復。前月比+47%、全面的な回復基調が続く。

全体に公開・2023/01/31

1月18日、日本政府観光局（ＪＮＴＯ）は、訪日した外国人旅行者数（訪日外客数）の2022年12月の速報値を公表しました。12月の訪⽇外客数は1,370,000人と、11月の934,500人から+47%、2019年12月と比べて54%の水準となりました。 11月と比較して、欧州を除いて全方面からの来日が以下のように大きく増加しました。2019年比では、韓国が184％の水準まで増加しており、過去最高水準に達しておりますが、他の地域はまだ回復途上にあると言えます。特に出遅れが顕著なのが中国からで、2019年12月には71万人が来日していたのに対して、2022年12月は3万人とわずか5%の水準にとどまります。中国では、1月21日から旧正月の春節にあわせた休暇モードでありましたが、日本政府は中国での感染状況や各国の対応を踏まえて、日本と中国本土を結ぶ直行便については、増便を行わないよう航空各社に要請しているほか、中国側でも中国旅行会社が企画する海外への団体旅行を認めていないなどもあり、この1月も来日は限定的だったとみられます。

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