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ジェンダー目線の広告観察:その「らしさ」はどこから来たの?

ジェンダー目線の広告観察:その「らしさ」はどこから来たの?

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8本の記事
広告やメディアの中で表現される「らしさ」のイメージをさまざまな角度から眺め、私たちを雁字搦めににする「らしさ」を解きほぐすエッセイ
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小林 美香
ライター・講師・翻訳業
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広告やメディアの中で表現される「らしさ」のイメージをさまざまな角度から眺め、私たちを雁字搦めににする「らしさ」を解きほぐすエッセイ
「職業、イケメン。」 ホストクラブ看板の男性像と社会
全体に公開
日本最大の歓楽街ともいわれる新宿の歌舞伎町は、夜間外出することがほとんどない私には縁遠い場所なのですが、初めて足を踏み入れたのは2年ほど前のこと。私が広告のジェンダー表現について執筆した記事を読んで関心を持ったカメラマンの尾藤能暢さんに誘われて、一緒に渋谷と新宿で広告観察散歩をしてみようと出かけたのがきっかけでした。その時の様子が、YouTubeチャンネル「いわなびとん」で公開されています。 この動画に収められているように、渋谷駅の周辺を歩いた後、山手線に乗って新宿に移動、駅から歌舞伎町に出て、最後にホストクラブの看板に囲まれた駐車場の前で広告観察散歩を締めくくっています。 人流の多い場所に広告が集中して掲出されたり、デジタルサイネージにひっきりなしに映像が映し出されたりしているのは、都心のターミナル駅周辺に共通する光景ですが、新宿駅周辺が独特なのは、歌舞伎町の性風俗関連店舗、とりわけホストクラブを宣伝するアドトラックを頻繁に見かけることです。以前からそういったアドトラックは視界に入っていたものの、繁華街やホストクラブにさほど深く関心を持っていなかった私に、尾藤さんは「ホストクラブの看板が並ぶ有名な場所があるよ」と言って、歌舞伎町の中心にある駐車場(エコロパーク歌舞伎町第21)まで連れて行ってくれました。(動画の41分あたりから出てきます)
トピックス開始のご挨拶
全体に公開
はじめまして。今月からこのトピックスで記事を執筆する小林美香と申します。トピックスのタイトル、「ジェンダー目線の広告観察 その「らしさ」はどこから来たの?」の前半部分は、2023年9月に刊行した『ジェンダー目線の広告観察』(現代書館)からそのまま取ってきたもので(記事を通して本の宣伝ができればという極めて安直な動機もあってつけたのですが)、「その「らしさ」はどこから来たの?」というタイトルの由来と、とくにこのトピックスを通してお伝えしたいことをトピックス開始にあたってのご挨拶も兼ねて記しておきたいと思います。 『ジェンダー目線の広告観察』では主に、東京五輪2020開催前の2010年代末からコロナ禍にかけての広告を観察し、その表現とジェンダーをめぐる価値観、社会的な背景について扱っているのですが、幸いなことに新聞や雑誌、ウェブ媒体などで書評を書いていただいたり、取材して頂く機会に恵まれました。中でも、第4章の「「デキる男」像の呪縛を解くために」で取り上げた、社会の中で推奨される「仕事において有能で、異性愛規範を前提として女性にモテる男性」のイメージについての論考に対する反響が大きく、ジェンダーをめぐる規範的な価値観の中でも、「男らしさ」というざっくりとした言葉で推奨されている男性のあり方や、その中に含まれる意味に対して違和感やわだかまりを抱いている人が多いことを実感しました。拙著を読んでくださった方からの反応や対話を通して、「男らしさ」を含め、「その「らしさ」はどこから来たの?」という「そもそも、それって何なの?」という問いかけが必要なのでは、と思いを新たにすることになりました。

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