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アートとしての詩のことば〜詩の編集者が選ぶ 今日の詩〜

アートとしての詩のことば〜詩の編集者が選ぶ 今日の詩〜

フォロワー64人
12本の記事
日本語の詩を世界に。 よりフェアな文学の世界を目指して。 詩とは、詩の編集とは。 詩の読み方、書き方。
藤井 一乃のアイコン
藤井 一乃
思潮社 書籍編集長/しまい編集室
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日本語の詩を世界に。 よりフェアな文学の世界を目指して。 詩とは、詩の編集とは。 詩の読み方、書き方。
生きるための詩が あっていい
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生きるための詩 というものがあっていいと思う 生きて行くために ただ書いている詩が あっていいと思う 生きがいなんてない と 感じる人が 俯いた先で書ける詩があっていいと思う どこにもでかけたくなくて 誰にも会いたくない人が この世の端っこで書く 生きるための詩が あっていいと思う  前回、表参道・スパイラルでの「これから詩を読み、書く人のための詩の教室」、「現代詩手帖」の「特集・これから詩を読み、書く人のための現代詩入門」のアイデアには、松下育男さんの「初心者のための詩の書き方」の実践が先にあったことを書きました。  松下さんは、1978年刊行の『肴』で第29回H氏賞(詩の世界で歴史の長い新人賞です)を受賞、続けて、79年に『松下育男詩集』(思潮社、新鋭詩人シリーズ、1平出隆、2荒川洋治、3正津勉、4山口哲夫、5宮園真木、6佐々木洋一、7稲川方人、8松下育男、9青木はるみ、10伊藤比呂美の10冊)が刊行され、詩人としての華やかなスタートを切ります。その後、何度かの沈黙ののち、2003年に『きみがわらっている』(ミッドナイト・プレス)を刊行、05年に同じく詩人の佐々木安美さん、阿部恭久さんと「生き事」という同人誌を創刊されています。
【対談】詩集『やがて魔女の森になる』ができるまで(後編)
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「サイゴノ空」から「魔女」へ 藤井 『半島の地図』の「サイゴノ空」から『やがて魔女の森になる』の「世界が魔女の森になるまで」にいたる、書き方の変遷のようなものがあれば教えてください。 川口 『半島の地図』の巻頭「サイゴノ空」は、殺されてしまった小さな女の子の語りで書いた詩でした。殺されたからその子の人生はそこで終わるしかないのですが、生きていたらこれからこうなったかもと、もうどこにもない自分の姿を思って語る詩です。この詩を書いた時期に小さな子供が犠牲になる事件が頻発している気がして、その子たちの目にこの世界はどう映っていたのかを思わずにはいられなかった。  この詩集を作った後、私の詩の先生で、今年の九月に亡くなられた鈴木志郎康さんが「この「サイゴノ空」は、川口さんの実年齢までしか想像できてないよね」と指摘されました。たしかにそうなんです。大人の女性になって洗濯機を回しながらぼんやり外を眺めている場面までしか書いてない。無意識でした。それで、これからは私自身の実体験にないことはもちろん、経験していない年齢も想像していこうと心に決めていたんですよね。
震災を書く◎川口晴美『Tiger is here.』
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 直後の反応  東日本大震災のあと、早い時期に動き出した活動もあります。  「ことばのポトラック」は、大震災直後の緊張感のある時期に、大竹昭子さんの呼びかけに応じて思いを持ち寄った13人の詩人、作家の皆さんの言葉を集めた記録集です(渋谷・サラヴァ東京で2011年3月27日に開催、冊子には、17人の寄稿がありました)。この冊子の編集をお手伝いしました。その後、1回から8回の記録をまとめて2012年4月に春風社から再編集のうえ、刊行されました。「ことばのポトラック」は、昨年17回目を迎え、現在も継続されています。  管啓次郎さんと野崎歓さんが呼びかけ人となって刊行された『ろうそくの炎がささやく言葉』は、31人の詩人、作家による朗読を前提にした詩と短編によるアンソロジーです。装幀の印象的な写真は、東北の地をダゲレオタイプで撮影されてこられた新井卓さん。この本で新井さんの作品を知り、その後、2017年から19年まで「現代詩手帖」の表紙とそれに合わせてエッセイの連載をお願いしました。毎号、渾身のエッセイを寄稿くださり、それらは『百の太陽/百の鏡』(岩波書店、2023年7月)として刊行されました。
あなたを詩人にする言葉◎平川克美『ひとが詩人になるとき』
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 詩とはなにか  さて、もう少し足早に、多くの人が思っていらっしゃるであろう、そして永遠に答えの出そうにない「詩とはなにか」という問いに、何かしらの応答ができたらと考えているのですが、これが本当に難しいのです。「これは詩ではない」は言えても、「これが詩である」がとてもいいにくい。  ただ、もし簡単に答えがわかるジャンルであれば、早々に飽きてしまって違うことをやっていたと思うのですが、わからないから面白い、やってもやっても、むしろ、やればやるほどわからないのが「詩」で、それが長くこの仕事を続けてきた理由のひとつでもあります。  「詩は散文ではない」「詩は韻文ではない」「詩は説明ではない」「詩は意味/メッセージを伝える器ではない」「詩の主語=書き手自身ではない」「詩は自分のことを書いているのではない」…「〜ではない」は数えきれないくらい挙げられそうで、「これは詩ではない」の外側を語っていくことによって(それしかできない)、「詩」と呼ばれているものの輪郭が立ち上がってくる、その「輪郭」を語ることこそが「批評」なのかもしれません。

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