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ビジネス用語新訳宣言！

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8本の記事

ビジネスを語る言葉や言論にあまりにも横文字が多すぎない？　そんな横文字だらけのビジネス理論を他ならぬ日本語でこそ再起動！

エッセイスト

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ビジネスを語る言葉や言論にあまりにも横文字が多すぎない？　そんな横文字だらけのビジネス理論を他ならぬ日本語でこそ再起動！

エッセイスト

「アグリーです」……その主語は？

全体に公開・2023/08/09

　次に新訳を考えていきたいのは“アグリー”とかいう横文字用語だ。　外資系などで“アグリーです”みたいなカタカナ語が使われているという記事を時々目にするけども、会議である意見に賛成する時に“賛成です”とかではなく、わざわざ“アグリーです”なんていう言葉を使うのはカッコつけなのか何なのか、俺としては理解に苦しむよ。やはり軽薄に思えるんだよな。　新訳にあたって皆さんは、別にてらいなしに“賛成です”と訳せば事足りるのではないか？と思うかもしれない。　だが俺は一歩踏みこんでこう訳したい。“私は賛成です”と。　ここにおいては“私は”っていう主語の存在が重要なんだ。だが何故重要かを話すには、日本語の性質そのものについてまず語る必要があるだろうね。

「プロダクト」という「ヌエ」を祓う！

全体に公開・2023/07/10

　ということで“プロダクト”という名のヌエを日本語によって祓っていこう！　まず実物商品に関しては、てらいもなしに“製品”という言葉を使っていいのではないかと俺は思っている。ここで使われる漢字の“製”は“製造”であるとか“手製”であるとか、そういった“あるものをつくる”ということに特化した字だ。かつ語源も“衣服を仕立てる”ってものなわけで、実物商品にはうってつけだと思うんだよ。　とはいえ“製品”は語義以上に“工場で大量生産された没個性な品”という文脈で揶揄的に使われるのを見かけることも多々ある。例えば“結局は工業製品”みたいな感じでね。　それからプロレタリア文学において非人道的な行いが繰り広げられたり、もちろん現在進行形で事故なども起こってる。さらにネットでは社会不適合者が行き着く先といった感じで悪意を以て描かれることも多い。確かにそういう面もあるだろう。

「プロダクト」とは「ヌエ」である

全体に公開・2023/06/16

　マーケティング本を読んでいると別に“商品”や“製品”と言えばいいようなものを、わざわざ“プロダクト”と呼称しているのを見掛け、何とも言えない気分になる。　確かにある文脈では使うべき時もあるだろう。例えば、マーケティング学の有名な概念にエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱し、彼の友人でもあったフィリップ・コトラーが援用しているマーケティング・ミックスの4Pを説明する時なんか、Price(価格)、Promotion(販売促進)、Place(流通)に並んでProduct (製品)があるから、この説明で“プロダクト”って使うのは、まあアリだろう。　そっからまるで惰性って感じで、みんなついつい“プロダクト”って使ってしまってないだろうか？

労働の象徴としての「手」

全体に公開・2023/05/31

　ということで“商い手”という新訳を考えるにあたって読んでいた本が『ハンズ手の精神史』(左右社)だ。　これは精神と手の関係性や相互作用ってやつを簡潔ながらも鮮やかに描きだすって本だ。正直、フロイトやらユングやらのせいで精神分析というやつは何とも胡散臭く感じられて苦手だ。それでも約200ページの薄さに叡知が詰まっているこの本を読むと、その価値観をも再考させられたよ。　まず最初の話題は、人間がいかに自分の手を“忙しく”させてきたかだ。　例えば現代はタブレットやスマートフォンを1人1台以上は持ってるってのが普通な時代だけども、そのせいでスマホ中毒ネット中毒なんてことが叫ばれてる。　この中毒は目や脳髄もそうだが、他ならぬ手も傷つけていることに気づいているだろうか。それはつまり画面をタッチしたり、キーボードを目にも止まらぬ早さでタップして字を打ったりと、特に指を酷使しまくってるってことだ。

「ビジネスパーソン」とは誰か

全体に公開・2023/05/22

　“ビジネス”を“商い”と訳し直したところで、次に行きたいのはその派生語である“ビジネスパーソン”だ。何故って、この企画を考えるにあたって編集の方が挙げたカタカナ語の例の1つが“ビジネスパーソン”だったからだ。　これに関しては、今までの日本語の歴史を踏まえるという連載の流れを鑑みて、俺が“商人”もしくは“あきんど”なんて訳語を使うのでは？と予想する読者もいるかもしれない。　だが俺のなかでは“商い”が“ビジネス”の訳語にハマった時点で、ある1つの言葉が既に思い浮かんでいた。　それこそが“商い手”だ！　……もちろん読者の方はみな怪訝に思うだろう。“商い”はまだしもその“手”は一体どこから出てきたんだと。

「売る者」と「買う者」

全体に公開・2023/05/15

　“ビジネス”を“商い”と言っていこう！　そんな意識を持つなかで、俺はいつものように最寄りの本屋をウロウロしていた。本屋は店内を歩いているだけで、様々な思考を刺激してくれるんで用がない時でもここウロチョロしてるよ。　そこで俺はある本を発見したんだ。『共感と商い』（祥伝社）って本だよ。　題名だけで“今の俺が読まなくちゃならない本だ！”って思わされて、そのまま買ってしまったよ。こういう出会いがあるから本屋ウロチョロってやつは止めらんないね。　さて『共感と商い』についてである。　この本は八木隆裕という人物の初著作だ。彼は京都で約150年茶筒作りを続ける開化堂の六代目。開化堂は長い歴史を持つ老舗だが、一時は廃業寸前だったそうだ。しかし八木氏が六代目として新たな試みを続け、可能性を模索していくなかで世界中から愛されるようになっていく。『共感と商い』はこの模索と彼の持つ理念を綴った書っていうわけだ。　まず俺はこの本がビジネス書……いや、商学書として異色だと思った。

「ビジネス」を日本語で言うと何になる？

全体に公開・2023/05/09

　“ビジネス用語新訳宣言！”を始めるにあたってさ、そもそもだよ、大本の“ビジネス”って言葉が英語由来の横文字っていうのがどういうことなんだ？ってみんな思わないだろうか。　 “ビジネス理論が日本に根付かない”って問題の根本には、この“business ビジネス”が日本語に訳されていない、というかもはや日本語のような面構えで横文字として定着してしまってるのがあるんじゃないか？　俺は結構本気で思ってるよ。　Wikipediaにはご丁寧に“狭義から広義まで様々な意味を持っていて、1つの日本語に置き換えて表現することはできない”と書いてあり、さらにどんな意味があるのかも解説してくれている。　 “一件あたりの商談、商取引、売買、など（商売）を表すビジネス” “仕事や職業、業務などを表すビジネス” “商業活動や経済活動全般を表すビジネス”

日本人初ルーマニア語小説家、コトラーを読む！

全体に公開・2023/05/01

『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』。これは2023年2月に俺が初めて出した自伝のタイトルだ。　引きこもりのニート野郎、29歳子供部屋おじさん予備軍。　1年前の俺は人々にこう馬鹿にされる存在だった。なのにそれも構わず俺は子供部屋に引きこもってひたすらあることをしていた。　ルーマニア語で小説や詩を書く。これだよ、これ。　チンケな嘘だと思うだろうか？　ところがどっこい、これが現実！　大学生活全てに失敗、就活放棄後は実家引きこもり、死にてえ死にてえと頭抱えていた俺の前に現れたのがコルネリュ・ポルンボユ監督によるルーマニア映画《Polițist, adjectiv》（2009）だった。その言葉と社会の関係性を描く傑作に脳髄ブン殴られた俺はルーマニアの公用語ルーマニア語の勉強を開始、文法学びまくって、ネットのド下ネタ記事読みまくって、内的衝動の塊みてえな小説をルーマニア語で書き殴ってたら、ルーマニアの文芸誌編集者にそれを見初められ、何とルーマニア文壇に颯爽デビューを果たしちまった。

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