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経済安保というリアル

フォロワー65人

12本の記事

経済安保をビジネス、政府、先端技術、米中関係の視点から考えます

IISE国際社会研究所特別研究主幹、信州大学特任教授前Zホールディングス経済安全保障部長、前テレビ朝日ワシントン支局長

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経済安保をビジネス、政府、先端技術、米中関係の視点から考えます

IISE国際社会研究所特別研究主幹、信州大学特任教授前Zホールディングス経済安全保障部長、前テレビ朝日ワシントン支局長

2027以降の台湾有事リスク　数字で検証する米軍の「本気の備え」

全体に公開・2024/06/10

台湾有事リスクは日本の安全保障だけでなく企業のサプライチェーン、事業継続の基盤をも揺るがしかねないインパクトを秘めています。個人的には「台湾有事は絶対起こる」と煽るのも、「台湾有事なんて起きない」と決めつけるのも、好きではありません。占い師でもない限り、台湾有事が起きるのか、どのような形で起きるのか、本当に２０２７年か、それ以降があぶないのか、誰にもわかりません。それでも言えることがあるとすれば２つです。１つは台湾有事が起きれば甚大な影響を日本の安全保障と経済に及ぼし得るということ。さらには、有事があってもなくても仮に台湾が統一されれば日本の戦略環境は劇的に変わるであろうこと（悪い方にです）。

新著「日本企業のための経済安全保障」発売

全体に公開・2024/06/07

PHP新書さんから経済安保の新著を出します！経済安保をビジネスや企業の視点からまとめてみました。経済安保が気になっていた方、国際関係に関心がある方、経営戦略に関心がある方をはじめビジネスパーソンが経済安保をツールとしてビジネスの現場で使いこなすためのヒントや視点、インサイトが盛り込まれています。６月１８日（火）発売です！ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4569857175

経済安保推進法　基幹インフラ事業者の審査がスタートの意味

全体に公開・2024/04/25

５月１７日からいよいよ経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ事業者の審査制度の運用がスタートします。日本の経済安保が前進していく大きな節目となるのは間違いありません。基幹インフラ事業者の審査は経済安全保障推進法の４つの柱の一つで、電力、水道、空港、銀行、鉄道、携帯電話といった国民の安全にかかわる基幹インフラが外国からのサイバー攻撃や破壊工作などによってサービスの安定供給が妨害されないようにするための制度です。基幹インフラ事業者は自社の設備の安全性について国からの事前審査を受けることになります。具体的には導入する設備のメーカーや設備の維持や管理を委託する先の企業について、その国籍、役員の氏名や国籍、設備の製造国、外国政府や外国主体との資本関係や取引関係を届出て、審査を受けることになります。

「当たり前」は一瞬で崩れ去ってしまう

全体に公開・2024/01/06

2024年を迎えました。今年も経済安保や地政学リスクが持つ、ビジネスへの意味や影響について私なりに考え、発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 2024年は米国、韓国、台湾、インドなどで選挙が相次ぐ選挙イヤーであり（おそらく日本も）地政学的変化が生まれる年となりそうです。「生きてるだけで丸儲け」。年頭に友人が送ってくれた言葉です。彼はプロ野球や芸能界に深い人脈を持っていて地政学や危機管理が専門ではありませんが、能登半島地震や羽田空港での衝突炎上事故で明けた年をとらえて、激動の時代の本質を彼らしく表現してみせたもので、思わず膝を打ちたくなりました。大地震は一瞬にして「当たり前」だった暮らしや世界を一変させてしまいます。羽田空港での痛ましい事故も「当たり前」の空の旅、楽しい帰省が一瞬にして死を予感させる灼熱の世界に変えてしまいました。まさに「生きていることだけでも感謝」、「生きているだけで丸儲け」です。それはガザ地区やウクライナでの惨状など、世界に目を転じても同じことがいえます。

経済安保は経営課題そのもの

全体に公開・2023/11/21

先日の東京海上日動さん主催のセミナーに登壇させていただいた際の講演内容のエッセンスを今日はお伝えしたいと思います。米中首脳会談がおこなわれましたが、米中の相互不信に根ざす大国間競争が大きく変わる気配はありません。競争の原因が覇権的地位を争うものだからです。つまり米国から見れば今の覇権的地位に中国が挑戦しようとしているものである以上、米国としてはその地位を譲るつもりはなく、この競争で妥協するわけにはいきません。もちろんだからといって中国との経済関係を断絶（デカップリング）することではなく、貿易を含めた経済関係を維持しつつ、半導体、量子技術、AIなどの経済、軍事両面での国力増進を左右する先端技術分野で厳しい投資規制や輸出規制を課すことで、すこしでも中国の台頭のスピードを遅らせようとしています。

東京海上日動主催の経済安保セミナーに登壇します！

全体に公開・2023/11/04

東京海上日動さま主催のセミナーに登壇させていただきます。企業の現場の視点で見た経済安保リストと対応のあり方が私のトピックです。企業にとっての課題について基礎をおさえたうえで、なぜ経済安保が経営課題なのか、守りだけでなく「攻めの経済安保」の可能性、そして今後、企業の実務者が取り得る取り組みについて議論させていただく予定です。経済安保が重要そうなのはわかるが、何から手をつけていいのかわからない、どういう視点で経済安保を捉えたらいいのか、事業推進との関係をどう整理すべきか、という課題感をお持ちの方へのヒントになればうれしいです。

企業から見た「攻めの経済安保」

全体に公開・2023/09/10

経済安保の主役は企業です。国がいくらがんばっても企業がついてこなければ、日本の技術力の育成や基幹インフラのセキュリティ向上、サプライチェーンの強靭化はままなりません。企業が本気になってがんばらなければ、日本の産業競争力は強くならず、海外からの経済的威圧への抵抗力も強まりません。その一方で、安全保障のロジックは企業にとってはとてもNewなものであり、ビジネス論理や経済合理性との折り合いをどうつけるのか、日々悩んでいます。そうした経済安保の主要アクターである企業の現場の経済安保の苦労や課題の実態、そして企業にとって経済安保を強みに変えられる「攻めの経済安保」とは何か、を考えてみました。発行元のPHP研究所さんのご厚意と了承をいただき、月刊Voice９月号に書かせていただいた拙稿を全文転載いたします。

「台湾有事２０２７年説」を検証する

全体に公開・2023/07/30

他媒体向けの論考で恐縮ですが、台湾有事をテーマに書きましたので紹介させてください。２０２７年にも起こるかもしれないと日米の政府関係者、安全保障関係者の間で危機感が高まっている台湾有事の２０２７年説の真相に迫りました。経済安保の始まりは米中対立にあります。先端技術（＝経済的覇権）をめぐる競争と軍事対立は米中対立の両輪です。経済的、技術的競争は軍事競争とも連動しており、軍事競争は技術をめぐる競争でもあったりします。その理由は、AIや量子技術、先端半導体などの先端技術は軍事にも経済（ビジネス）にも使われる両用技術＝デュアルユースだからです。たとえばAIで優位に立つということはビジネスで優位に立つだけでなく軍事でも優位に立てることを意味します。

英議会報告書が問いかける「目先の利益に目を奪われるな」

全体に公開・2023/07/23

「何年も前から中国の脅威について指摘されていたにもかかわらず、英国政府の動きがあまりに遅いことに驚きをおぼえる」。「米国政府は保護すべき先端技術２０分野を指定して、中国に対して先端技術で優位性を保つことを国家安全保障に位置付けているが、英国政府にはそのような動きは見られない。深刻な失態だと言わざるを得ない」これは英国議会のインテリジェンス・安全保障委員会が７月１３日に公表した中国の脅威に関する報告書（The Rt Hon. Sir Julian Lewis MP, Intelligence and Security Committee of Parliament, Presented to Parliament pursuant to sections 2 and 3 of the Justice and Security Act 2013 Ordered by the House of Commons to be printed on 13 July 2023)にある一文だ。

「TSMCの工場を破壊するぞ」　経済安保というグレートゲーム③

全体に公開・2023/07/03

官報に記された米国の焦り Federal Registerと呼ばれる米国の官報（2022年10月13日付）に記されていたのは、AIとそれを支える先端半導体が中国の軍事力の増強させていることへの危機感だった (Industry and Security Bureau, Implementation of Additional Export Controls: Certain Advanced Computing and Semiconductor Manufacturing Items; Supercomputer and Semiconductor End Use; Entity List Modification, Federal Register, October 13, 2022, Citation: 87 FR 621186）。

半導体で決別宣言　経済安保というグレートゲーム②

全体に公開・2023/07/03

どうするオレ！？な日本経済安保の時代、日本は米中の間に挟まれて難しい舵取りを迫られている。国の基盤を担保する安全保障で日本は米国に依存している。日本にとっては米国陣営につく選択は当然となる。その一方で隣国、中国とは安全保障で緊張関係にあるものの経済関係では密接だ。　　　規制や政治リスクは多いものの、成長のポテンシャルを秘める中国市場に活路を見出す日本企業は少なくない。中国とビジネスをする事業リスクや経済安保リスクはわかっていても、おいそれとは中国マーケットから撤退することはできない企業の悩みは深い。始まりはこの演説だったこの難しい経済安保という時代が始まったきっかけがあったとすれば、それはトランプ政権のペンス副大統領（当時）がおこなった演説だっただろう。ペンス演説があった2018年10月当時、筆者は米国ワシントンに駐在していたが、ペンス演説の衝撃を今でもおぼえている。

経済安保というグレートゲーム①

全体に公開・2023/07/02

Nvidiaという会社をご存知だろうか生成AIやデータセンターに使われる画像処理用の半導体GPUで圧倒的なシェアを誇る世界有数の米国企業だ。今後のAI時代を牽引するキープレイヤーになると期待されており、時価総額は１兆ドル、およそ１４０兆円に達している。そのNvidiaが誇る先端半導体を中国に輸出させない輸出禁止措置を米国政府が７月にも取る予定だと米メディアが一斉に報じた。ロイター通信によれば、米国政府はNvidiaに対して虎の子の先端半導体H100の中国への輸出を控えるよう去年、要請したという。同社はそれを受けて米国政府の規制に引っかからない、スペックを落とした半導体A800を用意して対中ビジネスを維持しようとした。(ロイター通信、6月28日「米、AI半導体の対中輸出に新たな制限検討」　 https://jp.reuters.com/article/usa-china-chips-idJPKBN2YD1YB　７月１日アクセス」

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