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新進気鋭のAI企業がトップ:6月の海外スタートアップ調達ランキング

新進気鋭のAI企業がトップ:6月の海外スタートアップ調達ランキング

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平川 凌
Coffee Break with Startups平川 凌

大型の資金調達からは、投資家が最も注目している領域を推察することができます。

毎月チェックしたい大型調達について、6月はどんなラインナップだったのか、トップ5社をみてみましょう。

参考:5月の海外資金調達トップ5社:シリーズDで3社が大型調達

☕️coffee break

1.🇺🇸Inflection AI(インフレクションAI):パーソナルAI「Pi」の開発

・シリーズC

・資金調達額:13億ドル

・企業評価額:40億ドル

・リード投資家:Microsoft、リード・ホフマン(共同創業者)、ビル・ゲイツ、エリック・シュミット(Google元CEO)、NVIDIA(新規)

ここに注目👉世界トップ棋士に相次いで勝利した囲碁AI「AlphaGo」を開発したGoogle DeepMindの共同創業者、AI研究者、およびLinkedin共同創業者のリード・ホフマン氏の3名により昨年設立されたスタートアップ。

5月には感情的な知性(EQ)を備えた人間らしい会話ができるパーソナルAI「Pi」をリリース。すでにOpenAIのGPT-3.5、GoogleのPaLM-540Bを上回る大規模言語モデルを構築しており、近く対話APIを公開し、GPT-4やPaLM 2レベルの言語モデルも発表予定です。

2. 🇺🇸CleanCapital(クリーン・キャピタル):太陽光発電、蓄電池プロジェクト

・資金調達額:5億ドル

・リード投資家:Manulife Investment Management

ここに注目👉2015年の創業ながら、商用太陽光発電資産の所有で米国トップ10入り。初期段階のプロジェクトに焦点を当てていることが特徴で、これまでに10億ドル以上を投じて、米国内234のプロジェクトを取得しています。

3. 🇺🇸Madhive (マッドハイブ):テレビCMの効果分析SaaS

・資金調達額:3億ドル

・リード投資家:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

ここに注目👉リアルタイムに入札額やクリエイティブ、ターゲットなどを変更・改善していく運用型テレビCM事業を提供。インターネットを介してアクセス可能な広告コンテンツ配信サービス「OTT広告」では全米の市場を100%カバーしていることから、広告出稿企業はリアルタイムで細かい改善をすることができます。

中でも同時に実行できるキャンペーン(広告を管理する単位)の数が20,000、毎日処理されるデータが200TB、カバーしている世帯数が100M、パブリッシャーの数が5000以上という点が強みとなっています。

4. 🇺🇸Aledade(アレデード):米国最大のプライマリケアネットワーク

・シリーズF

・資金調達額:2億6000万ドル

・企業評価額:35億ドル

・リード投資家:Lightspeed Venture Partners

ここに注目👉シリーズEで1億2300万ドルを調達してから、わずか1年での大型調達。独立した診療所、医療センター、クリニックをネットワークとして抱え、患者が初期の診察(プライマリケア)を安価に受けられるサービスです。

米国45州で200万人以上が医療サービスを受けられることを支援しており、2022年の売上高は4億7500万ドルと、前年比+50%以上の高成長を遂げています。

5. 🇺🇸Upstream Bio(アップストリーム・バイオ):アレルギー性疾患や炎症性疾患の治療薬開発

・シリーズB

・資金調達額:2億ドル

・リード投資家:Enavate Sciences、Venrock Healthcare Capital Partners

ここに注目👉アレルギー性疾患や炎症性疾患における炎症反応のドライバーにアプローチすることで、広範な疾患で治療効果を発揮する治療薬を開発しています。

今回のシリーズBでは、主要パイプラインである喘息患者を対象とした治療薬のフェーズ2の臨床試験が順調に進捗していることが評価されました。シリーズAで出資した全ての投資家が追加出資し、新規投資家が4社が出資しています。

🍫ちなみに

6月は生成AI分野で、大型のM&Aも発表されました。

・米Databricks(データブリックス)が、MosaicML(モザイクML)を13億ドルで買収

注目ポイント👉スタートアップによるスタートアップの買収です。AI統合データの分析基盤を提供するDatabricksは、評価額380億ドルがついているスタートアップで、年内IPOの噂も。

一方、買収されるMosaicMLは、2021年に設立され、社員はわずか62名。企業が独自データを使って、クローズドな言語モデルを構築することを支援するサービスを展開しています。

オープンソースで大規模なOpenAIの言語モデルと比べると、自社に最適化されているため、非常に高い精度のモデルを構築することができるというわけです。

Databricksは買収により、人材を獲得するとともに、言語モデルの構築から、データの保護・分析までを一貫して提供できるようになります。

今回、MosaicMLのARR(年間経常収益)2000万ドルに対し、その65倍もの買収金額という非常に高い評価になっています。もっとも、Databricksは2021年に評価額380億ドルで資金調達した際の株価でMosaicMLにDatabricks株式を交付して買収することから、実際には収益の32倍ほどの評価になるとみられます。

ランキングトップ5にAI企業は1社しか入らなかったものの、6月はAI分野で相次いで1億ドル規模の資金調達が行われています。

とは言っても、大型調達を成功させているのは、やはりサービスリリース時から大きな反響があったり、前回ラウンドから高い評価を得ている企業のみ。

実績豊富なVCであっても市場の先行きが見通せず、まだまだ慎重な姿勢なのではないでしょうか。

サムネイル画像:Unsplash/Chi Pham


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コメント


注目のコメント

  • 平川 凌
    ユーザベース スピーダ事業 スタートアップアナリスト/NewsPicks Content Curator

    6月の海外スタートアップ調達額トップ5。月末には相次いでAIスタートアップの大型調達が発表されるので、トップ5はAI一色なのかなと思っていたのですが、それよりも大型の調達がかなりあったようです。


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