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2020s

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15本の記事

2020年代は未踏の10年。人類初の炭素削減、エネルギーからテクノロジー、思想・カルチャーまでこの歴史的時代を脈略なく綴る。

NewsPicks NY支局長

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2020年代は未踏の10年。人類初の炭素削減、エネルギーからテクノロジー、思想・カルチャーまでこの歴史的時代を脈略なく綴る。

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SDGsはガラパゴったのか

全体に公開・2023/04/05

さて、日本では新年度が始まりました。ちょうど、その4月1日というタイミングで、エイプリルフールではなく、ちょっと刺激的なコラムを出してみました。テーマはSDGsです。多くの反応を頂きましたが、迷うテーマではありました。一昨年に『グリーン・ジャイアント』（おかげさまでロングセラー中です…）という書籍を書いてから、脱炭素やエネルギーの話をする機会も増えたのですが、日本では「流行りのSDGsですか」といった前提で語られることが多く、それなりにもやもやしていていたのです。というのも、書籍ではSDGsという言葉は一回しか使っていません。おそらく、発売時は日本でSDGsが一番盛り上がっていた時期とも重なっていて、もちろんその認識していたのですが、逆に、その波に乗ってしまうと、本来の主題とは別の意味が付与されてしまうとも感じていたのです。

コラム始めました

全体に公開・2023/03/29

前回の投稿から、凄まじい期間が経ってしまいました。色々訳あって、NewsPicksのオリジナル記事として、週イチでコラムを始めることになりました。このトピックスとの兼ね合いはどうするんだ？という声はもちろんあったのですが、こちらでは、よりカジュアルに、コラムで取り上げたことを紹介したりしながら、またコメントやフィードバックを頂ければ嬉しいなと…。で、最初のテーマは「AIと意識」の話。昨年の11月のChatGPTの公表から、3月のGPT-4のローンチと、今やもうテック業界はAIで一色になっていますが、その圧倒的な破壊力とユーティリティ性は前提として、その裏側でAI開発者・研究者たちが打ち明けだした「恐怖心」について考察しています。

「ビット」から「アトム」へ

全体に公開・2022/10/01

最近少し気になっていることがある。英語で、世界のテクノロジーやビジネス、カルチャーの動向を得ようとすると、絶対的に欠かせないのが、ニュースレターやポッドキャストなのだけれど、まだうねりにこそなっていないけれど、一つの新たな流れの萌芽を感じるのだ。（ちなみに、今オススメの情報収集方法は、ウェブでの検索ではなく、まず優良なニュースレターを登録しておいて、その毎日大量に届くメールを、その場で毎日読むのはムリでも後からテーマに沿ってGmail検索する方法である。これはGoogle検索よりも、スクリーニングが働いて、かつ自らの関心に近いテーマをきちんと押さえられる）まず、最初に一つの流れを感じたのは、Ezra Kleinのポッドキャストだった。

めちゃめちゃ嫌われる政治家の話

全体に公開・2022/08/20

アメリカという国では、どんだけがんばっても避けて通れないものがある。それが政治だ。「政治」というのは、テクノロジーや経済、カルチャーとも別の原理が働くので、僕自身はあまり得意ではないのだが、例えば、今自分が主戦場としている気候やエネルギーの分野だと、規制がイノベーションやビジネスに大きな影響をもたらすので、否が応でも、この世界に巻き込まれることになる。例えば今月、アメリカで総額60兆円の大型気候対策法案が可決された。これはもうほぼ誰も期待されていなかった旧法案が、7月に急転直下で新たなインフレ対策法案として進展し、気候や再エネ関係者が歓喜の声を挙げているという状態なのだが、例えば、その旧法案は、ずっと与党に当たる民主党の2人の議員が反対していた。ジョー・マンチンという人と、クリステン・シネマという2議員である。

「お自転車さま」の時代

全体に公開・2022/07/26

出張取材で2週間強ほど、欧州を旅してきた。 5カ国で30カ所以上はめぐる弾丸の旅だったのだが、その取材成果は、きちんと作品にしてお届けするとして、その過程で出会った「衝撃」についてお伝えしたい。それは、コロナの2年強という期間をきっかけに、欧州の都市、特にパリその「街のあり方」を大きく変えていたことだ。実は、パリは、昨年末に2026年までに「100% cyclable city（100％自転車中心の街）」になるという計画を発表している。このプランはまさに壮大で、2億5000万ユーロ（約300億円）をつぎこんで、合計で1000キロもの自転車レーンを整備していくという。180キロ分の自転車専用レーンを新たに整備して、駐輪場も現在の6万から3倍の18万箇所に増やしていく。

「欧」と「米」は違う

全体に公開・2022/06/05

ちょうど一昨日、イギリスから来ていた知人が帰国しました。 4月末続いていたNYCへの訪問ラッシュもようやく一息という感じなのですが、最後の一日は、UKから見たUSとの違いなど、他愛もない話で盛り上がりました。同じ英語を話す国ですが、やはり言葉、政治、カルチャーまで異なることだらけで面白い。同様に、日本からみると、「欧米」とか「西洋」という言葉でひとくくりにしてしまいがちなアメリカと欧州だけれど、もちろん思想的な共通基盤は確実にある一方で、実は違いにフォーカスしたほうが、世界への解像度を上げられることも多い。そんな大きめの前振りをしつつ、今日は、久しぶりに気候とエネルギーについて。というのも、実は今この領域は、欧と米の「違い」がなかなか鮮明になりつつある領域だからだ。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、政治・国際的には結束を強めている欧米なのだけれど、この戦争を受けたエネルギーセクターの反応は、かなり対照性が鮮明になりつつある。

アメリカで「クソ分厚い本」が売れる理由

全体に公開・2022/05/10

NYでは、半袖の春盛りとダウンがまだしまえない日が交互する中、突如のように日本からの来訪者が急増している今日このごろですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。今日は傍証の特にないゆるい投稿を…。この2、3年、特集のリサーチなどで、がんばって英語の書籍を購入することが多くなったわけですが、いつも気になっていたことを少し考察できれば。なぜ、アメリカ人はこんな分厚い本を買うのか。しかも、なぜ売れているのか。例えば、自分がカバーしている気候周りの本だと、例えば、ビル・ゲイツの気候本『How to avoid a crimate disaster』が2.8センチで、アマゾンレビューが8647件（邦訳版は229件のみ）。もうちょいエネルギーの専門寄りでいうと、石油界の重鎮ダニエル・ヤーギンの『The New Map』がなんと4.2センチで1371件のレビュー（邦訳は今のところ60件）。

「脱炭素」はどこへいった

全体に公開・2022/04/09

お久しぶりです。前回の投稿から長い時間が経ってしまった…。 2月24日のロシアによるウクライナへの全面侵攻をきっかけに、この10年なかったレベルでエネルギーがメディアを賑わせている。特に、日本では、地震に伴う停電危機も発生したことで、ネット上でも電力をめぐって激しめの論争を見ることがある。その間、何度か今起きていることを整理しようと試みたのだけれど、エネルギーはどれだけがんばってもイデオロギーが絡む部分があって、あらゆる人に偏りなく伝えようとすべての論点を網羅しようとすると、逆にガチガチの要塞みたいな記事になりかけて、悶絶しまうことがあった。なので、今日は論点を絞ろうかと思う。テーマはタイトルの通り「脱炭素」について。

ロシアを隣国に持つ意味

全体に公開・2022/02/25

ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まった。自分は国際情勢の専門家ではないし、次々とアップデートされる情勢の考察もできる立場にもないが（この侵攻のエネルギー地政学的な意味については別だが、それは追々記事で…）、一つ自分の取材経験から共有できればと思ったことがあり、投稿を。それは、隣国にロシアを持つことの意味について、である。今回の侵攻をめぐって、何人か専門家が懺悔をしていた。プーチンは武力行使の脅しはするものの、ここまでやるとは思っていなかった、というものである。そのうちの一人、英国の安全保障の専門家であるエドワード・ルーカスは、プーチンのリスク許容度を見誤っていたと認めた上で、今後の情勢分析をアップデートし、最後にロシアの隣国人たちに対し、謝罪の言葉を述べていた。

アメリカで勝つということ

全体に公開・2022/02/12

今日は、年に一回あるかないかのエモーショナルな投稿を。色々陰りはあるとはいえ、アメリカというのは、いまだにビジネスやテクノロジー、スポーツ、カルチャーの多くにおいて、「世界の中心」という立ち位置にある。そして、日本からも毎年多くの企業やアスリート、アーティストが挑戦しては、人知れず敗れ去っている。本当に人知れず。出ていくときは、華やかに「海外進出」「移籍」などという言葉が踊る一方で、その後が報じられない事例は山ほどある（もちろん派手ではなくても地道に自らの道を切り開いている例もたくさんある）。僕は、自分の出自もあって、学生時代から日本という方法について一貫して興味があって、そして、今は米国に居住する当事者としても、国境を超えてブレイクスルーする日本の人（その売りが「日本」ではなかったとしても）に、それなりに尋常じゃないレベルの関心を注いできた。

全体に公開・2022/01/26

皆さん、「ドント・ルック・アップ」はご覧になっただろうか？（一部での劇場公開を経て）去年の12月20日にNetflixで公開されると、その週に最も視聴された映画となり、翌週にはNetflix上の週間映画視聴数の最高記録、現在はNetflix史上で2番目に視聴回数を記録、と、かなりの流行りぶりを記録している映画だ。だが、そんな快進撃とは裏腹に、それほど日本では取り上げられている気配はない。（そもそも、今や海外で見られている作品が、日本で流行ることの方が珍しくなった（イカゲームは数少ない例外）ので、それも仕方ないのかもしれないが…）。で、この映画の裏テーマはーーもしかすると、これも日本で見られていない遠因なのかもしれないがーー、「気候変動」なのである。

Web3と気候とUBIと、哲学の話

全体に公開・2022/01/15

ちょうど今日までWeb3、メタバースの特集をやっていた。日本でも年末年始にかけて、Twitter上に8ビットな人が集まる熱狂が生み出されつつあることもあって、多くの方に読んで頂き、とても嬉しいかぎり。詳しくは特集をご覧いただくとして、こういう動きを見ると、常にカウンターカルチャーが生まれて、そこで衝突が起きて、それが次世代のムーブメントに昇華されていくダイナミズムって、やっぱり面白いし、そこがアメリカという国の強みなのだろうな、と思う。それが結果的に歴史となるわけで、熱狂、冷笑の両方を含めて、常に時代が動いていく（動かない場合も含めて）様子を記せるのは、物書き冥利につきる。賢人おじさんたちの洞察

【5選】2022年は「原子力ルネッサンス」らしい

全体に公開・2022/01/04

あけましておめでとうございます。昨年末始まったばかりですが、今年もほそぼそながらも、定期的にトピックスを更新していきたいと思っているので、皆さま本年もよろしくお願いいたします。さて、2022年が幕を開けた。前回の投稿から、年明けまでのニュースを何となく眺めていると、時代のシフトを大きく感じさせられた。それは、明らかに、脱炭素、なかでもエネルギーの題材が、どでかくメディア上を賑わせていたことだ。もちろん、今や個人の関心は細分化されていて、「そんなんあったっけ？」と思う人もたくさんいるとは思うけれど、年末年始の10日間を眺めるだけで、2022年、ひいては2020年代の行方を占いそうなトピックが怒涛のようにニュースフィードを飾っていた。

子どもを産みたくないZ世代

全体に公開・2021/12/24

未だにこちらのニュースに驚かされることがある。今年衝撃を受けた一つが、老舗雑誌Atlanticの「A World Without Children」と題された記事だった。直訳で「子どもがいない世界」を意味するタイトルなので、日本の感覚でいうと、少子高齢化だったり、若い世代の経済問題だったりを連想するかもしれない。しかし、この記事の題材は、実は「気候変動」なのである。書き出しから、人気歌手のマイリー・サイラスが「クソのような惑星」で子どもは産まないと誓ったエピソードから始まるこの記事は、プログレッシブ（左派）の人気議員であるAOC（アレクサンドリア・オカシオ＝コルテス）のインスタ投稿も踏まえ、45歳以下の米国人の3分の1以上が、気候変動を心配して子どもを産まない、もしくは産む数が少なくなるとした調査を紹介している。

なぜ、2020年代なのか

全体に公開・2021/12/15

ビル・ゲイツの知恵袋にヴァーツラフ・スミールという人物がいる。今や気候変動の大家になったゲイツだが、そのエネルギー面での課題認識や解決策は、スミールの分析を相当信頼しているようだ。なにしろ、スミールが出版した難解な書籍約40冊をほぼすべて読み込み、「多くの人がスターウォーズの新作を楽しみにするかのように、彼の新著を待ち遠しく思っている」と語っているほどなので…。と聞くと、この2人の考えは一致しているかのような印象を受けるかもしれない。が、実は、両者が描く未来像が全く異なる。そして、それが面白い。というのも、スミールは、人類による気候変動への取り組みに対して、徹底して厳しい見方をしているのだ。人類が使うエネルギー源は、木材から石炭、石油、ガスと色々変遷してきたが、実が18世紀の産業革命で大量使用されるようになった石炭でさえ、ようやくピークを迎えたのが2010年代のこと。温室効果ガスの排出量も、一部先進国で減少し始めたものの、中国はやっと伸びが鈍化したレベルで、その後に続くインドやアフリカではまだ急増している。

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