2024/5/12

オンライン化で急増? 脳を変容させる「ギャンブル依存症」

チーム・パスカル 理系ライター / 小説家
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平氏の違法賭博疑惑を伝える報道は、今もなお、多くの人々の関心の的となっている。水原氏は、自身が「ギャンブル依存症」であると告白した。
だが、病気なら仕方がないと心の底から納得できた、という人はどれだけいるだろうか。
依存症に縁がない人は、自分の意志が自分でコントロールできないという経験をしたことがない。
そういう人にとっては、借金を作り、大事な人を裏切りながら、自らの手で未来を壊していくギャンブル依存症患者の姿は、病人というよりは、極度のギャンブル好きか、人格破綻者としか思えないかもしれない。
だが、久里浜医療センターでギャンブル依存症の治療に取り組む松下幸生氏は、ギャンブル依存症は「誰でもなり得る病気」だと語る。
あなたは、今、自分がギャンブル依存症ではないと言い切れるだろうか。そして、今後もならないと確信できるだろうか? 
心配な人は、記事の途中に、セルフチェックできるリストもあるので、ぜひ確認してみてほしい。
INDEX
  • 「やめたくてもやめられない」状態
  • 脳の広範囲で強い反応
  • はまりやすいオンライン賭博
  • 早期発見のための自己チェック
  • 「認知の偏り」に気づく

「やめたくてもやめられない」状態

依存症は、特定の何かに心を奪われ、やめたくてもやめられない状態に陥ることだとよく説明される。