(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースは「IndexGPT」と呼ばれる人工知能(AI)搭載ツールを使ったサービスを導入する。同行を巡っては1年前、IndexGPTの商標登録申請を行ったことでさまざまな臆測が飛び交っていた。

IndexGPTは、オープンAIの「GPT-4 」モデルを使って開発された一連の新たなテーマ別投資バスケットだ。テーマに関連するキーワードのリストを生成した後、それを別の自然言語処理モデルに送り、ニュース記事を読み込んで該当分野の企業を特定する仕組みとなっている。

要するに、いわゆるテーマ別インデックスをほぼ自動化によって構築する方法だと言える。テーマ別インデックスでは、セクター別や企業のファンダメンタルズといった従来の手法ではなく、クラウドコンピューティング、eスポーツ、サイバーセキュリティーといった新たなトレンドに基づいて投資先を特定する。

JPモルガンの市場取引ストラクチャリングの責任者であるルイ・フェルナンデス氏はIndexGPTについて、インデックス商品全般にAIを統合する長期的プロセスの第一歩だと説明した。

「すでに知名度の高い銘柄に限らず、より幅広い銘柄を選択できるようになる」と同氏はインタビューで指摘。「株式ボラティリティー商品からコモディティモメンタム商品まで、あらゆる金融商品を改善する方法を模索している。だが、段階的かつ思慮深く、漸進的なやり方で進めたいと当社では考えている」と述べた。

金融業界はかねて、取引やリスク管理、不正検知、投資分析などの機能を自動化するため、AIシステムを広く活用してきた。だが、足元では生成AIの急速な台頭により、新たなサービスの開発競争が激化している。

テーマ型ファンドは個人投資家がけん引する格好で2020-21年にブームとなり、ロボットからマリフアナ(大麻)まで、あらゆるものをテーマにした金融商品に巨額の資金が流れ込んだ。だが、パフォーマンスの低迷と金利上昇が重なり、足元では人気が下火になっている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、昨年はテーマ型上場投資信託(ETF)から46億ドル(約7030億円)が流出し、データの収集が始まった2001年以降で最悪となった。

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原題:JPMorgan Unveils IndexGPT in Next Wall Street Bid to Tap AI Boom(抜粋)

--取材協力:Seth Fiegerman.

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