日本製鉄は3日、米鉄鋼大手USスチールの買収完了時期を、当初予定していた9月から12月に延期すると発表した。米司法省による反トラスト法(独禁法)に基づく審査で、追加の情報請求があったため。日鉄は「引き続き関係当局の審査に全面的に協力し、強い決意で買収を完了させる」とコメントした。

 日鉄は昨年12月にUSスチール買収を公表。買収案は今年4月に開かれたUSスチールの臨時株主総会で承認され、両社は9月までの手続き完了を目指していた。

 これに対し、全米鉄鋼労組(USW)が強く反発。11月の大統領選を控え、労組票獲得を図るバイデン大統領とトランプ前大統領がともに慎重姿勢を示すなど、政治問題化している。

 買収を巡っては、独禁法の審査のほか、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)による安全保障審査も行われている。 【時事通信社】