社会人留学で得られる“語学”以上の価値。失敗ばかりの日々で得た「無敵のメンタル」
コメント
注目のコメント
憧れの海外留学ですが、身につくのは「語学」だけではないといいます。身につくのは「無敵メンタル」! ベルギー留学生活が1年半になる雨宮 百子さんに寄稿してもらいました。横山編集担当。
留学の価値はいろいろなところで言われていると思いますが、やっぱり経験者に語られると説得力があります。
円安で特に欧米圏への留学のハードルは高くなっていますが、留学の価値を考えさせられます。英国ロンドンに移住していますが、移住のきっかけは7年半前、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス大学大学院(LSE) で文化人類学修士号を取得するためロンドンに住み始めたことです。海外志向が元からあった私は、それをきっかけにPhD課程に進み、そのままロンドンに移住することを考えていました。ですがPhD課程には進まずに、LSE修士号取得後はロンドンで起業することになりました。ロンドンでの起業が可能になったのは、LSEが私のビジネスアイディアを是認し、スタートアップビザをスポンサーしてくれたからです。現在はイノベータービザに切り替え、引き続きロンドンに住んでいます。
人生何があるかわかりません。
高度人材向け英国ビザに関してはプロ級と思うくらい、この7年半で色々経験してきました。Tier 4 Student Visa (大学院へ通うためのビザ)→ Graduate Entrepreneur Visa (その当時はスタートアップビザという名前ではありませんでした。)→ Start-up Visa → Innovator Visaという具合です。毎回、更新する度に色々ありますが、どうにか切り抜け今に至ります。ちなみにInnovator Visaは、永住権に切り替えられるファーストトラックのビザで、Innovator Visa期間の3年間の業績が凄ければIndefinite Leave to Remain(永住権)に即、切り替えられます。
社会人留学は実はLSEが2回目で、29歳くらいの時にオランダのライデン大学大学院で中東・イスラム教学の修士号を取得しています。
こういうと、お金と自由があったと思われそうですが、確かに自由はありました。気にしなければいけない家族がいるわけでもなく、子供がいるわけでもなかったからです。ですが、お金はありませんでしたので、LSEの時もライデン大学大学院の時も、日本政策金融公庫で借りました。ライデン大学大学院に通った後、日本で働いたのでその時にオランダ分で借りた金額を全額返金し、そしてまた34歳の時にLSEに通うために日本政策金融公庫から借りました。
学ぶのには年齢は本当に関係がなく、どんな年齢でも全然留学して、その後の人生を楽しめるのだという後押しになればと思います。奨学金なども活用できます。
人生一度きり、やりたいことを。無敵のメンタルは日本では歓迎されない行動かもしれません。みんな一律同じにしたがり、主張を嫌う傾向にあるので、逆に日本だとメンタルが抑え込まれてしまいやすいです。
海外に行ってやっと解放されて無敵のメンタルを手に入れたのは良かったと思います。日本でもそういう機会が作れると良いのですが、何かマインドが違うんですよね。