[リスボン 28日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは28日、ギリシャがユーロ圏を離脱しても2012年の債務危機の再来とはならないが、波及リスクが生じるとともに、本来恒久的であるべき通貨統合の本質を変えると指摘した。

ムーディーズのソブリンリスク部門バイスプレジデント、カスリン・ミュールブローナー氏がロイターのインタビューで述べた。

同氏は「通貨統合は本来、恒久的なもので、ギリシャのユーロ圏離脱はその本質を変えることになる」と指摘。離脱となれば、ポルトガルにリスクが波及する恐れがあるとした。

欧州中央銀行(ECB)の量的緩和により、ギリシャのユーロ離脱の影響は抑制されるだろうが、「どうなるか明確ではない」と指摘。

「ソブリンはある意味、ECBの量的緩和に守られているが、銀行や企業の資金調達やその能力への影響は不明だ」とし、企業には打撃が及ぶ可能性があるとの見方を示した。