イラン、イスラエルへの「報復」対応に苦慮 大使館空爆で情勢緊張 - 日本経済新聞
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イスラエルの在ダマスカス・イラン大使館内の施設に対する爆撃という、通常であればあり得ないような攻撃に対して、イランがとり得る報復手段は非常に少なく、この記事にあるようにイランは対応に苦慮していると思います。
イスラエルは、シリアという主権国家の首都であるダマスカスの、しかも各国の大使館が集まる外交区域にF-35戦闘機を飛ばし、6発のミサイルでイラン大使館の隣の建物をピンポイントで爆撃しました。そのすぐ隣はカナダ大使館ですから非常にリスキーな行動です。
そのイラン政府の建物には、イラン革命防衛隊とレバノンのヒズボラを繋ぐ非常に重要な人物がおり、その他にもシリアで展開している親イラン派民兵組織の活動などを統括している革命防衛隊の高官もいたのですが、そこだけを正確に破壊して13名も殺害しています。これは本当にとんでもない攻撃で、さすがのイランも驚愕していると思います。
本来であればシリアやイランと戦争になってもおかしくない非常に危険な攻撃でした。
「在外公館にいればさすがにイスラエルも手は出せない」と考えていたイランに対し、「どこにいても見つけて攻撃するぞ」というメッセージをイスラエルが送ったことになります。
これに対するイランの報復は、イスラエルの軍関係の拠点や情報機関の施設になるものと予想されますが、イランが狙うことのできるそうしたイスラエルの拠点はあまり多くないはずです。
過去にイランは、イラク北部のクルド人地域にあるとされるイスラエル情報機関と関連する施設を狙ったミサイル攻撃をしたことがあります。アゼルバイジャンにもイスラエル軍の拠点があるとされていますが、そこを攻撃すればアゼルバイジャンとの外交関係が劇的に悪化することになります。
イスラエルは、報復の可能性があるため一時的に各国のイスラエル大使館を閉鎖する措置をとったと発表しています。
イランがどのような行動をとるのか。今回はすぐに報復攻撃をせずに、イスラエルのガードが下がるまで待ち続ける可能性もあります。注意しながら状況を見守りたいと思います。