(ブルームバーグ): 楽天グループと楽天銀行は1日、グループのフィンテック事業再編に向けて協議を開始することで合意したと発表した。再編の効力発生は10月を目指す。

発表によると、楽天銀、楽天カード、楽天証券ホールディングス、楽天インシュアランスホールディングスなどのフィンテック事業全体を1つのグループに集約する組織再編を想定する。日経新聞が先に報じていた。

フィンテック事業のエコシステムのさらなる拡大と競争優位性の向上につながるとして、協議の開始を判断したという。仮に統合したフィンテック事業の株式を売り出した場合、一定規模の資金調達につながるとみられる。楽天Gは24年から25年にかけて多額の社債の償還を控えており、グループとしての財務体質の改善につながる可能性もある。

シティーグループ証券の鶴尾充伸アナリストは1日のメモで、日経新聞の報道が正確であれば、楽天カードの新規株式公開(IPO)による資金調達に代わり、より資産規模の大きい金融子会社を統合した形での資金調達が事実上狙いであると考えられるとして、「キャッシュフローと純資産総額(NAV)の強化に向けて前進していることを示す」とコメントした。

楽天Gは協議の結果として再編を実施する場合、楽天証券HDの上場を行わない可能性について楽天証券HDと協議する予定で、再編実施の場合も楽天銀株は上場を維持するとしている。

発表を受けて楽天G株は午後の取引で、一時前週末比5%高の892.4円と、約2年ぶりの日中高値を付けた。

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