2024/3/31

卵子や精子は試験管内で作れるか。「命をつなぐ細胞」の秘密

NewsPicks編集部
私たちには父親と母親がいる。昨年、この当たり前のことが、当たり前でなくなる研究成果がもたらされた。「親が2匹ともオス」のマウスが誕生したのだ。
世界初となるこの成果を成し遂げたのは、大阪大学の林克彦教授の研究グループだ。研究の背景には、京都大学の斎藤通紀教授が挑み続ける「試験管の中で卵子や精子を作り出す研究」がある。
林教授の共同研究者でもある斎藤教授は、試験管の中でマウスの卵子や精子の元となる細胞を作り出し、それを卵子・精子に成長させて子どもを誕生させることに成功するなど、世界のトップランナーとして知られる。
卵子や精子を作り出す研究はどこまで来ているのか。そして将来、もしヒトに応用される可能性があるとしたら、どんな課題があるのだろうか。
「精子や卵子ができる道筋を再現することで、命が脈々とつながるメカニズムを理解したい」
そう語る斎藤教授に、じっくり話を聞いた。
INDEX
  • 「死に対する畏怖」が原点に
  • 「両親がオス」のマウス誕生の衝撃
  • 生殖細胞の作製研究はどう役立つ?
  • いつかヒトへの応用は可能になるか
  • 西田哲学に学ぶ

「死に対する畏怖」が原点に