ノーベル賞、カーネマン氏死去 行動経済学の先駆者
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大学院時代に行動経済学を知り、その後の私の投資人生に大きな影響を与えてくれました。
経済学は、大雑把に言うと需要と供給が基本原則だと思うのですが、そこに心理学の要素が加わるということに、当時は目から鱗状態でした。
ご冥福をお祈り申し上げます。
注目のコメント
初めてお会いしたのは2004年、当時まだ今ほどメジャーに知られていなかった行動経済学を教えるサマースクールに講師としていらしゃっていた時だったと思います。その時すでにノーベル賞を取ってたと思いますが、メチャくそ偉い人なのに、そういう人にままありがちな近寄りがたいオーラがなくて、面白くて割とリラックスしてる感じの方だったという印象が残っています。そのサマースクール参加者からも多くの有名研究者を輩出するなど、ご自分の研究はもちろん同僚や後進の育成を通じて非常に大きなインパクトを与えた方だったと感じます。ご冥福をお祈りいたします。
合理的な経済人を前提にする経済学を特段の疑問も抱かず遠い昔の学生時代に一定の体系で学んで受け入れていた化石世代のオジンには、自分より年上のカーネマン氏がそれに疑問を抱いて行動経済学の分野を開かれたのは驚きでした。
行動経済学を学問として体系的に学ぶ機会は無かったですけれど、人がリスクを恐れて理論上の利益の極大化より心理的な価値の極大化を目指す傾向があること、代表的な事例の影響を受けて似て非なる状況の判断を誤りがちなこと、近い時点の経験や想起が容易な事象に引かれて物事の発生確率を見誤りがちなこと、第一印象に影響されて次に出されるものの価値の判断を誤りがちなこと、といった個別の提言は、自分の判断と行動を考える指針として自省の糧になりました。衷心よりご冥福を念じます。カーネマンは、1960年代末からトベルスキーとの共同研究により、行動経済学の理論的な骨格を築きました。74年の論文で唱えたヒューリスティック、79年の論文で訴えたプロスペクト理論などがよく知られています。人間は情報不足や不確実性のある中では、合理的でない間違った判断や行動をしやすいものですが、こうした現象を理論化した功績は偉大です。