2024/3/24

【考古学最前線】縄文人たちは土器で何を調理したのか

サイエンスライター
遺跡を掘り起こし、出土した土器などから当時の生活や文化を明らかにするのが考古学だ。
ただ、従来の研究手法では、土器が何に使われたのかを知りたくても、出土状況や使われた痕跡などを手がかりに推定するしかなかった。
そこに現れたゲームチェンジャーが、生化学の手法を取り入れた「考古生化学」だ。
土器の表面や内部に残る微量の物質を科学的に分析し、何を調理したのか探ることを可能にした。
縄文時代の人たちは、土器を使って何を煮炊きしていたのだろう。「土器の中身が映像として見えてきている」と語る奈良文化財研究所の庄田慎矢・国際遺跡研究室長に話を聞いた。
INDEX
  • 縄文土器から水生生物の痕跡
  • 土器に残された脂質を解析
  • 考古生化学への道のり
  • 人類はなぜ土器を使い始めたのか
  • キビの煮炊きに使った証拠を発見
  • 古代の食を通して現代の食を考える
  • 少なすぎる日本の考古生化学者

縄文土器から水生生物の痕跡

──考古生化学。聞き慣れない言葉ですが、どんな学問なのですか?