2024/3/27

【持ち家or賃貸?】プロが語る“失敗しない住宅選び”の原理原則

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ビジネスの第一線を走り続けるあの人は、「暮らし」や「住まい」にどんなこだわりを持っているのか?

音声番組「LIFE TALK -ビジネスリーダーが語る「暮らしの哲学」-」は、ビジネスリーダーをゲストに、暮らしにおける価値とその見極め方を問い直すトーク番組です。

今回のゲストは、TERASS代表取締役社長の江口亮介さんです。不動産のプロの観点から、住宅購入を検討する際に知っておきたい耳より情報を語ってもらいました。

Q1. 住宅購入を検討すべきタイミングは?

「今後3年はライフスタイルが大きく変わらない」と確信できたときです。

白木 どうしてそのタイミングなんですか?
江口 まず、よくある「住宅購入vs賃貸」論争での私のスタンスは、「住宅ローンを有利に借りられる段階で、資産性が高いマンションを早く買ったほうがいい」です。
 ここでの一番のポイントは「住宅ローンを有利に借りる」というところ。今は金利が安い時代とはいえ、安いローンを借りられる人って限られているんですよ。
 ただ、家を買う一番のデメリットは、初期費用。買ってすぐ売ると損しちゃうことが多いんですよ。不動産価格が上がっているうちはいいのですが、横ばいの状況になってくると、初期費用分を損してしまうんです。
 だから、「少なくとも3〜5年くらいは住む」となったタイミングで買ったほうが安心だと思います。

Q2. 住宅購入の際に注意すべきことは?

予算が自分の身の丈に合っているかどうか、です。

白木 江口さんとしては、高すぎる物件を買っている人が多い印象をお持ちなのでしょうか?
江口 いま、物件価格が上がっているのと同時に、ローン金利は安くなっているので、世帯年収600万の家庭でも、1億円くらい組もうと思えば組めちゃったりするんです。
 多くの不動産会社やローン診断ツールは「組める金額」を提案することが多い。ただ、ローンで“組める金額”と、“組むべき金額=身の丈に合った金額”は違います。
 自分のライフスタイルにとってその予算が適正なのかを判断した上で、住宅購入を考えて欲しいなと思うんですよね。具体的な目安で言うと、年収の7〜8倍が適正だといわれますね。
白木 年収500万円だと、大体3500万〜4000万円弱ですね。
江口 同じ年収500万でも、今後まだ年収が上がっていくポテンシャルがあるのかでも適正金額って変わってきますよね。
 将来子どもが何人欲しいかみたいなところにも大きく関わってくるので、気をつけてほしいポイントです。
白木 まさに、ライフプランを立てていくということですね。ちなみに、結婚・教育費・老後など、実際どこまで詳細に考えておくのがオススメですか?
江口 理想は、考えられるものは全部ですね。もちろん、後々考えが変わってもいいんですけど、いま現在の“スターティングポイント”としての考えは持っていたほうがいいと思うんです。
 夫婦で物件を買うときって、将来を話し合うきっかけになったりするんですよ。改めてどんなライフプランにしたいのかを、考えられる限り詳細に話し合って家を購入すると、より満足度は高いかなと思いますね。

Q3. 物件のエリア選びで大事にすべきことは?

“土地のパワー”。今後のエリアの発展性に注目しましょう。

白木 続いては、「都内で働くビジネスパーソンが、物件のエリアを選ぶ際に大事にすべきことを教えてください」という質問です。
 回答は「人口が増え続けるエリアか、再開発がされているエリアか、その後も発展していく可能性が高いエリアを選ぶ」ですが、どのような理由があるのでしょうか?
江口 どのエリアが良いかは、価値観によって変わると思うんです。たとえば海の近くがいいとか、会社から近いほうがいいとか、緑が多いとか。それぞれの価値観なので。
 ただ、家を買うということは、ある程度長く所有することが前提。将来、価値がなるべく減らないほうが嬉しいですよね。だから、そこに“その土地のパワー”もプラスして考えてほしいと思うんです。
 今、都内でも人口が減っているエリアってあるんですよ。たとえば世田谷区がそうですね。駅もしくはエリアが発展していれば、おおよそ失敗しにくい選択になるかなと思います。
白木 なるほど。
江口 住むエリアではないですが、虎ノ門は、森ビルさんが起爆剤になって、本当に素晴らしい再開発だと思います。
 直近だと、大井町は駅前の再開発が始まっていますね。古いビルを壊して駅直結になり、ホテルやオフィスもできている。1つ大きな再開発が始まると、他のデベロッパーさんも注目し始める。再開発の好循環になると、エリアの価値が上がっていきます。
白木 確かにそうですね。僕がいい事例だと思うのは、月島・勝どきエリア。この辺りはもともと木密エリア(※)でしたが、再開発が始まって、地価が思いきり上がりました。
※木造住宅が密集して建っている地域
 また、最近は東京の……