2024/3/22

【キャリア】専門性の「磨き方」と「活かし方」

NewsPicks, Inc. Brand Design Editor
「入社直後と比べて、成長の機会が少ないと感じる」「クライアントに本質的な価値を提供できているか自信がない」「いつかはグローバルな環境で働きたい」──。
こうした自らのキャリアや社会に提供する価値への葛藤や不安を抱える人は少なくないだろう。
そうしたビジネスパーソンに向けて、「専門性を活かしたキャリア」をすすめるのがPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)のパートナー 三治信一朗氏と、ディレクター 志村雄一郎氏だ。
三治氏は、先端テクノロジーの活用を通じて産官学の連携を支援する「Technology Laboratory」の所長も務め、「先端技術×産官学連携」などに精通する人物だ。
日系シンクタンク、コンサルティングファームを経て現職。産官学のそれぞれの特徴を生かしたコンサルティングに強みを持つ。社会実装に向けた構想策定、コンソーシアム立ち上げ支援、技術戦略策定、技術ロードマップ策定支援コンサルティングに従事。 政策立案支援から、研究機関の技術力評価、企業の新規事業の実行支援まで幅広く視座の高いコンサルティングを提供する。
一方の志村氏は、30年以上も前からEV関連のプロジェクトに携わるなど、「エネルギー×モビリティ領域」のプロフェッショナルとしてその専門性を育んできた。
大手総合シンクタンクを経て現職。 産官学に対する、モビリティおよびエネルギーに関する多数のプロジェクトに従事。特に電気自動車(EV)・スマートグリッド関連の新たなルール策定およびそれに伴う新規事業開発支援に係るプロジェクトを数多く推進。 IEC SEG11(Future Sustainability Mobility)国際委員、IEC SyC Smart Energy国際委員などを歴任。
二人の専門性を活かしたこれまでの歩みから、キャリア形成における一つのロールモデルの形をお届けする。
こんな方におすすめ👉
・専門性を軸にしたキャリアやグローバル環境に興味がある方
・シンクタンクやコンサルティング業界で働く方
・変革期のモビリティの未来に興味がある方
INDEX
  • 「専門知識」=「専門性」じゃない
  • 異業種のコラボが新たな価値を創出する
  • 「違い」を認め合う、フラットなカルチャー
  • モビリティの未来を共創するチーム

「専門知識」=「専門性」じゃない

──お二人はキャリアの土台として「専門性」を育まれてきました。まずはこれまでの歩みをどのように振り返りますか。
志村 私は、前職のシンクタンクに30年以上在籍していました。エネルギー領域に興味を持ったきっかけは、入社して5年目のころに偶然プロジェクトに携わる機会があったためです。
 1990年代後半頃からは、EV関連のプロジェクトにも携わりはじめましたが、当時はまだ「そんな金にならない事業をなぜやるのか」と言われるような状況でした。
 ただ排出ガスなどをゼロにすることで、資源循環型社会を目指す「ゼロエミッション」という理想の未来が実現できれば、社会に大きなインパクトを生み出せるのではないか。
 そんな考えと、エネルギーを通じて世界が変わる瞬間に携わりたいという思いから、私なりに専門性を育んできました。
 一方で、「専門性」という言葉は誤解されがちな側面もあると考えています。
 コンサルタントにとって、ある特定領域だけの知見を専門性とは言い切れないなと。なぜなら、その領域を専門とする事業会社の方には、決して勝ることのない知識だからです。
 だからコンサルタントは、ただ専門知識を学ぶだけじゃ足りない。その知識を活かすためにも、「全体を俯瞰する力」を身に付けることが必要です。
 「専門知識×俯瞰する力」があってはじめて、コンサルタントにとってはそれが「専門性」になると、入社して数年後に気が付いたんです。
 特定の分野にだけ詳しいことを専門性だと捉えてしまうと、どんどん先細りになってしまいます。全体を俯瞰することで、いま社会に何が求められているかがわかり、それを先回りして捉えることで、新しい価値を提供することができると考えています。
三治 とても共感します。もちろん、お客さまと同じレベルで会話するためには、「専門知識」は必要です。一方でそれだけだと、ただの物知りで終わってしまう可能性がありますよね。
 実は、私も新卒入社したシンクタンクで3年目頃に、上司に「専門性がない」と言われたんです。当時は、その真意がわからず、「自分はこの仕事が向いていないのではないか」と本気で悩みました。
 そこでよく考えてみると、これまでの仕事において「何のためのアウトプットか」という視点が欠けていたことに気が付いたんです。要するに、お客様や産業が抱える本質的な課題まで見通さずに、単純にお客様にただ知識を提供しているだけにとどまっていたのです。
 しかし、重要なのは「お客様の課題」と「産業の課題」を照らし合わせ、そこから課題を翻訳する。そのうえでアウトプットを生み出せてはじめて、コンサルタントにとっての「専門性」と言えるのではないか、という気付きに辿り着きました。
 若手時代は、「専門性」という言葉を本当の意味で理解できていなかったように思います。お客様の課題を翻訳することが、コンサルタントの重要な役割であり、そのためにも専門性が必要だといまでは考えています。

異業種のコラボが新たな価値を創出する

──そこから順調に専門性を育まれてきたお二人ですが、キャリアにどのような行き詰まりを感じ、PwCコンサルティングに入社したのでしょうか。
志村 業界を越えたコラボレーションが求められる時代において、より専門性を掛け算した価値を提供することはできないか。前職のシンクタンクにいた当時、そんなことを考えていました。
 前職は、官公庁系に強いシンクタンクだったので、規制産業、たとえばエネルギー領域は得意な分野でした。一方で、自由競争の自動車産業になると、あまりそこまで力を発揮できるわけではなかった。
 でも私は最終的に、エネルギーとモビリティを掛け合わせた新しい価値を世の中に生み出したいと考えていました。
 デジタルでつながりが生まれる世界では、縦のアプローチだけでは価値を十分に発揮できない。PwCコンサルティングに入社したのも、産業と産業の掛け算を生み出し、自分の専門性をより活かすことができると考えたからです。
 ほかには、グローバルネットワークを抱える環境で働きたかったことがあります。また新規事業の立案などの範囲にとどまらず、十分に実行支援できる環境を求めていたことも大きな理由です。
三治 私も、組織の専門性をもっと掛け合わせることができれば、より社会に価値を発揮できるのではないかと考え、PwCコンサルティングに入社しました。
 前職ではシンプルにいえば、自分自身の成長に限界を感じていたんです。自分がさらなる成長を遂げるためには、自身と他者のそれぞれが持つ専門的な知識がより強くつながる仕組みや文化のある環境が必要だった。
 また、これからの時代は自分の力だけでは新しい価値を生み出すことが難しくなりますし、自分自身の能力も行き詰まりを迎えてしまうだろうという感覚がありました。
 ほかには、特に若手時代は「再生産」に対するジレンマも抱えていました。一つの特定領域の近しいテーマに対して、似たようなアウトプットを生産してしまう。
 もちろんお客様それぞれにカスタマイズする努力はするものの、やはり横串の連携ができないと実現可能性がある本質的な提案ができない。
 そんななかで出会ったPwCコンサルティングには組織内のコラボレーションやグローバルとの密接なつながりがあり、チームの力で新しい領域を切り拓けることに魅力を感じました。

「違い」を認め合う、フラットなカルチャー

──実際にPwCコンサルティングに入社してみて、専門性を活かせる舞台として、どのようなカルチャーが根付いていると実感されていますか。
志村 PwCコンサルティングには、「加点主義」のカルチャーがありますよね。失敗をするたびに減点されるのではなく、新しい挑戦をした人を応援する文化が根付いてるというか。
三治 わかります。私自身も2020年に入社して以降、新しいチームやプロジェクトの立ち上げに携わったり、本も出版したりとさまざまな挑戦をさせてもらっています。
 新しいことをする人を、否定したり止めたりしない。思ったことは、すぐに実行できる環境だと感じます。
 それも「失敗への許容度」が高いからだと思います。私自身も、失敗自体が悪いことではなく、そこから新たな学びを得て、改善を繰り返すことで、最終的に目指すべき到達点に辿り着けばいいと考えています。
志村 そうですよね。それも組織が階層型ではなく、「フラットな組織」だからだとも感じます。役職にかかわらず、全員が並列にいる感覚がありますし、だから困ったことを尋ねると、驚くほどすぐに誰もが相談に乗ってくれます。
 普通は忙しいときに何か聞かれると、多少でも「協力できないよ」というオーラが出てしまうじゃないですか。それがゼロなんです。
 もちろんグローバル連携においても、「少しこの分野について教えてほしい」とメッセージを送ると、すぐに1時間ほど対話の時間を設けてくれる。
 ただ同じグループに所属しているというだけで、組織全体にコラボレーションする習慣があるというのは、よくよく考えてみると不思議なカルチャーだなと感じます。
三治 それができるのも、「多様性を認め合う」という文化があるからかもしれませんね。方向性が異なっていても、「そういう考えの人もいるのね」と許容することができる。
 とても心理的安全性が高い組織ですし、だからこそお互いの専門性を最大限に活かしたアプローチが実現できるのだと思います。

モビリティの未来を共創するチーム

──お二人が現在携わる「スマートモビリティ」チームについても教えてください。
志村 私たちは、業界横断型の「スマートモビリティ・イニシアチブ」により、“モビリティの未来”を共創するチームです。
 テクノロジーを活用した移動・交通の課題解決と利便性向上に貢献するスマートモビリティ領域への参入や、事業拡大、事業変革を包括的に支援します。
三治 スマートモビリティの領域は、まだ業界的にも立ち上がりの時期にあるため、挑戦の余白が大きい分野です。新しい領域でイニシアチブを取りに行くチームになるので、ここで数年プロジェクトに取り組むだけで、その領域の専門性は格段に上がります。
 常識にとらわれず、まだ世の中にない新しい価値創出を目指したいと考える人にとっては、とてもやりがいを感じられる環境だと思います。
 たとえば、スマートモビリティの定義を広げることなどにも取り組んでいますが、とても自由度が高く面白い時期だと思います。
──現在、「スマートモビリティ」チームでは積極採用中だと伺っています。
志村 そうですね。PwCコンサルティングのカルチャーやスマートモビリティ領域に関心がある方には、ぜひ一度興味を持ってもらえるとありがたいです。
たとえばこれまでシンクタンクなどで調査や研究の領域に特化した方のなかには、実際にビジネスをつくりたかったり、現場に携わりたかったりする人も少なくないと思います。
 PwCコンサルティングでは実行支援にも深く携われるので、そうした方であれば現場での手触り感を得る仕事ができます。これまで育んできた専門的な知見を、業界横断で活かせる環境もあるので、よりキャリアの可能性も広がるはずです。
三治 グローバルな環境に身を置くことで、私ははじめて自分自身のリーダーとしての役割や責任を真剣に考えるようになりました。これはグローバルなネットワークに入らないと、意識が変わらない部分だったと思います。
 慣れ親しんだ間柄での属人的な評価ではなく、フラットな関係で適切に評価してもらえる。その部分においても、個人が伸び伸びと成長できる環境にあると感じます。
 また個人的には、自身の成長機会を創り出しながら、昇進や報酬を高められることはキャリアの一つの選択肢にもなると考えています。
 私たちのチームに少しでも興味を持ってもらえるところがあれば、一度気軽にお話しできるとうれしく思います。専門性を育む・活かせる舞台を用意してお待ちしています。
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PwCはこれまでの枠組みを超えた、Industry Solution(IS)という組織を2023年1月に発足させました。ISは業務の視点から課題を解決するだけでなく、インダストリーの視点から重要課題を解決することを目的とし、クライアントのトランスフォーメーションを支援するチームです。