DJ-FBI、エイボンへの不審な買収提案で調査開始=関係筋
2015/05/16, ダウ・ジョーンズ
米連邦捜査局(FBI)は、米化粧品訪問販売大手エイボン・プロダクツに対する虚偽と見られる買収提案をめぐり初期段階の調査を開始した。事情を知る複数の関係者が明らかにした。
これらの関係者によると、FBIに情報を提供した米証券取引委員会(SEC)も独自の調査を進めている。
FBIの関与は、エイボンに不審な買収提案を行った企業または人物が刑法に違反した可能性があることを示唆している。SECも法執行権限を有するが、民事訴訟しか提起できない。
一方、SECに提出された有価証券報告書によると、買収元のPTGキャピタル・パートナーズと自称する投資会社は本社登記地を英領インド洋地域としていたため、英当局もこの件についての調査を開始した。
PTGキャピタルは14日、エイボン株1株当たり18.75ドルでの買収を提案する書類をSECの電子情報公開システム「エドガーシステム」を通じて提出。これを受け、エイボン株は一時20%高まで急騰した。
だが英国の外務英連邦省(FCO)の広報担当者によると、英領インド洋地域に本社を登記している企業は存在しない。アフリカ東部沖約2600マイル(約4200キロ)に位置するチャゴス諸島を中心とする英領インド洋地域は無人島となっている。
エイボンは14日、提案を受けたことを否定。事情に詳しい関係者によると、同社は買収提案を虚偽の情報と受け止めている。
SECの広報担当者はコメントを避けた。別の政府高官は14日、SECが報告書を調査していることを明らかにしていた。
英領インド洋地域を登記地とした企業から疑わしい報告書が提出されたのはこれが初めてではない。2012年にはPSTキャピタル・グループと名乗る企業がロッキー・マウンテン・チョコレート・ファクトリーの買収に向けた株式公開買い付けを発表したことがある。
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