(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの2023年10ー12月(第3四半期)の純利益は9500億円と、前年同期の7834億円の損失から黒字転換した。黒字になったのは5四半期ぶり。ビジョン・ファンド(SVF)事業による投資損益が改善した。

SVF事業の税引き前利益は4227億円と、前年同期の6601億円の損失から回復した。資料によると、SVFが投資する上場投資先と未公開投資先の公正価値が増えた。第3四半期のファンドと本体の投資額は3億ドルと、過去7四半期で最低だった。

孫正義社長が決算説明会を不在にして約1年。その間、未上場投資先価値の減少などからSVF事業は赤字基調が続き、米ウィーワークが破綻するなど、守り固めを続けた。ただ、今回黒字転換したことで、今後の出資が注目される。

決算会見に出席した後藤芳光最高財務責任者(CFO)は、「久しぶりの四半期黒字を出すことができてほっとしている」と述べた上で、今後の投資方針については、「精力的に投資活動していく」とし、特に日本企業への投資を増やしたいとした。

同社が経営指標として重要視するNAV(ネット・アセット・バリュー)は9月末の16.4兆円から増加し、12月末に19.2兆円になった。後藤氏は、「NAVの成長が最も重要だ」としたうえで、NAV拡大のために「新規投資に注力していく」と強調した。

開示資料によれば、第3四半期の持ち株会社投資事業の税引き前利益は5374億円と、前年同期の1305億円の損失から回復した。Tモバイル株を無償で取得したことから、投資損益に約1152億円の利益を計上した。一方、アーム事業は、前年193億円の黒字から80億円の赤字となった。

きょうの東京市場でソフトバンクG株は、3日ぶりに急反発した。終値は前日比11%高の7350円と、2021年7月16日以来の高値となった。傘下のアーム・ホールディングスが7日に第4四半期について強気の見通しを示したことを好感した。

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(会見の内容などを追加して配信します)

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