米利下げ観測後退、雇用統計が予想以上に堅調
AI要約
- 11月の雇用統計が市場予想を大幅に上回り、利下げ観測が後退した
- 2FRBは様子見姿勢を取る可能性があると市場での見方が出ている
- 3雇用統計により、利下げ圧力が軽減し、FRBの利下げ決定への確率が低下した
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注目のコメント
雇用者数の増加は予想が18万人でしたが、これは潜在成長率が1.8%の米国の巡航速度の伸びです。これに対し実際は35万人ですから、雇用に表れる景気は減速ではなく加速していることになります。また、平均受給が予想の4.1%に対し4.5%でしたので、こちらも減速どころか反転して再加速しています。時給はインフレの先行指数になります。市場では、利下げ期待が大きく後退、長期金利は再び4%台乗せ、2円ものドル高・円安、株価はITの好決算にも支えられて史上最高値を大幅に更新しました。株価は、ひと頃は金利が上がると下がりました。しかし最近は金利が上がると上がる関係性になっています。
直近で常勤雇用が減ってパートタイムが増える気配はあるものの、米国の雇用は確かに堅調です。新型コロナウィルスが襲った直後、米国の失業率は僅か2か月で4%弱から14%強まで一気に駆け上がりましたが、今はコロナ禍前を下回る3.7%に下がっています。仕事が消えた企業と産業から仕事が増えた企業と産業に人が移った結果でしょう。
米国と同じ程度に経済活動を止めた我が国では失業率が殆ど増えず、社内失業状態の休業者が厚労省の推計で約600万人、失業率に換算すると米国並みの約10%に達しました。我が国と米国との雇用の流動性の違いを如実に感じます。新しい企業と産業に人が移った米国は、その分、強い企業を育て効率を上げることが出来るわけ。
何かと規制の強い欧州も米国ほどダイナミックな動きは見られません。この柔軟性に米国の強さの秘密の一つがあるんじゃないのかな (・・?