(ブルームバーグ): アップルが米国の「働きがいのある会社ベスト100」リストに返り咲いた。従業員が匿名で職場の評判を投稿するウェブサイト、グラスドアが2024年のランキングを発表した。

アップルは39位。23年はトップ100圏外だった。上位100社入りしたハイテク企業は昨年の41社から減少し、アップルを含め31社にとどまった。テクノロジー業界で人員削減が相次いだことが響いたとみられる。

1位は経営コンサルティングのベイン・アンド・カンパニー、2位は半導体メーカーのエヌビディアとなった。

09年からこの調査を実施しているグラスドアのリードエコノミスト、ダニエル・ザオ氏は「ハイテク業界は求職者にとってはまだ素晴らしい業界だが、一定の輝きが失われた。復活を遂げつつある企業は古参の企業で、よりバランスの取れた労働市場に戻りつつあることを示唆している」と指摘した。

同氏はアップルについて、新型コロナウイルス期の22年にオフィス出勤態勢を強化したことが23年のランク外となった原因かもしれないが、同業他社に比べて大規模なレイオフが少なく、従業員が「安定と安全」を重視し、順位を大きく上げた可能性が高いと説明した。

アップルの株価が昨年48%値上がりし、米S&P500株価指数の2倍の上昇率となったことも、従業員の満足を高めているとみられる。

他のハイテク企業では、15位にアドビ、18位にマイクロソフト、26位にアルファベット傘下グーグルがランクインした。

金融業界からは、フィデリティ・インベストメンツが10位と前年の18位から順位を上げた。新たにリスト入りした金融企業はレイモンド・ジェームス・ファイナンシャルが14位、バークレイズが72位、JPモルガン・チェースが82位。23年に上位100社に入ったブラックロックは圏外となった。

このリストの対象となるには、従業員数が1000人を超え、報酬や企業文化、上級管理職など9つの職場属性について、過去1年間に少なくとも75人の従業員から評価を得る必要がある。

ザオ氏によれば、23年の1位だったソフトウエアのゲインサイトはこの基準を満たせず、24年のリストから外れた。

原題:Apple Returns to List of Top US Employers, But Tech Firms Falter (抜粋)

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