[北京 25日 ロイター] - クリスマスを迎えた中国。上海や重慶といった大都市ではモール(大型商業施設)でイルミネーションやギフトボックスで飾られた巨大なクリスマスツリーが買い物客を出迎え、ムードを高めているが、地方都市では、状況が異なる。

南西部の雲南省。モールのテナントは不動産管理会社からクリスマスカードやプレゼントを販売しないよう通達されたほか、店の飾り付けは控えるよう指示された。

国内各地の学校も生徒や保護者に、軽はずみに外国の伝統や文化に従わないよう要請した。

北西部の甘粛省では、共産主義青年団の支部が、朝鮮戦争中の中国人民義勇軍と国連軍の戦闘を描いた映画「長津湖の戦い」を鑑賞するよう呼びかけた。

中国でキリスト教は禁止されていないが、中国指導部は「外国の影響」を懸念している。

新華社の23日の報道によると、共産党序列4位の王滬寧氏は先週、「キリスト教の中国化の方向を堅持」するようキリスト教団体に指示。「(われわれは)現代中国の発展と進歩、社会主義の核心的価値観、中国の優れた伝統と文化の要件に沿って教義や規則を解釈しなければならない」と述べた。

クリスマスイブの24日、北京市の南に位置する河北省廊坊市の教会の外にある背の高いクリスマスツリーのそばに警官の一団が立つ姿が「とても怖い」とのコメントとともにX(旧ツイッター)に投稿された。廊坊市は2018年に「社会の安定維持」のためとして、クリスマスの飾り付けやクリスマス関連商品の販売を全面的に禁止していた。