[ワシントン 22日 ロイター] - 米商務省が22日発表した11月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇し、伸びは10月の2.9%から鈍化した。伸びが3%を下回るのは2カ月連続。米連邦準備理事会(FRB)が来年3月に利下げに着手するとの見方が一段と高まった。

前月比では0.1%の低下に転じた。前月比で低下するのは2020年4月以来初めて。10月は横ばいだった。

前年同月比の伸びが3%を下回ったのは10月が21年3月以降で初めて。市場予想は前年同月比が2.8%上昇、前月比が横ばいだった。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比3.2%上昇。伸びは10月の3.4%から縮小し、21年4月以降で最小となった。

前月比では0.1%上昇。10月も0.1%上昇していた。

11月は食品が0.1%、エネルギーが2.7%、それぞれ低下した。

米国の経済活動の3分の2以上を占める個人消費支出は前月比0.2%増。予想は0.3%増だった。10月は0.1%増と、当初発表の0.2%増から下方改定された。

個人所得は前月比0.4%増。伸びは予想と一致した。

<利下げ観測高まる>

FRBは物価の目安としてPCEに注目。CMEグループのフェドウォッチによると、今回のPCE統計を受け、FRBが来年3月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決定する確率は約72%となった。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニア・エコノミスト、サル・グアティエリ氏は今回のPCE統計について「パウエルFRB議長にとって最高の贈り物だった」とし、「年初時点の予想よりもはるかに良好な状況で年末を迎えようとしている。FRBは利下げを急がないとみているが、(利下げは)単に時間の問題だろう」と述べた。