2024/1/5

【超有用】大学生がChatGPTを使い倒した「最新活用法」10選

NewsPicks編集部
2024年、間違いなく「ChatGPT」はますます必須のスキルになる──。
とは、耳にタコができるぐらい聞くアドバイスだけれど、実は周りを見渡してみると、まだ本格的にはChatGPTを触っていない人も結構いたりする。
わかってはいるけれど、それでもなんとなくハードルが高い。
だったら、一度、我々NewsPicks編集部の「学生インターン」が使いまくって、「一番簡単な使い方」を見つけようじゃないか。
ということで、この1カ月間、ChatGPTを使い倒してみた。
インターン業務に学業、就活まで、我々3人があらゆる場面でとりあえず使ってみて、一番効果的だった10の鉄則を今から紹介したい。
まだうまく使えていないあなたも、2024年こそはGPTをマスターしよう。
INDEX
  • 【大前提】とりあえず使ってみる
  • ①ニュース記事のピックアップ
  • ②レポートの「内容」をつまみ食い
  • ③企業の情報を下調べする
  • ④事業の「強み」を分析する
  • ⑤状況に応じたメールが完成
  • ⑥「手書き」でWebサイトを作る
  • ⑦「プレイリスト」を作ってしまえ
  • ⑧誰もが羨む「アイコン」を
  • ⑨就活の「面接」でもGPT必須
  • ⑩「雑談力」もGPTで鍛えればいい

【大前提】とりあえず使ってみる

実践的にChatGPTを使うのに当たり、我々インターン生は、Xアカウントで数多くのAI活用法を発信する「AIインフルエンサー」の茶圓氏に、アドバイスを請うた。
そこでもらったのが、以下のアドバイスだ。
茶圓 XなどのSNSには、数多くの使い方が転がっている。とにかく調べて、とにかく使ってみるのが一番いい。
確かに、X上には、有象無象も含めて、あらゆる使い方が転がっている。それが本当に役に立つかは、自分たちで触ってみないとわからない。
ただ、茶圓さんの言う通り、学業・仕事・就職活動全ての場面で、とにかくChatGPTを使い倒してみると、その傾向が見えてきた。
以下が、実際に使った中で、「本当に有用」だと感じた10の使用例だ。

①ニュース記事のピックアップ

  • 条件に合う情報を「選別」してもらう
私、相原の業務の一つが、「世界毎日キャッチアップ」で紹介する記事のピックアップだ。
週に一度、英国ニュースサイト「The Guardian」の中から、読者に読みたいと思ってもらえる記事を探し、候補をまとめる。
The Guardianの記事数は膨大だ。地道に目を通して選別するのは、結構時間がかかる。
そんな時に、超使えるのがこのプロンプトだ。
あなたは経済メディアNewsPicks編集部のキュレーターです。
以下の条件を満たして、The Guardianの記事を探してください。

【あなたの会社のURL】
https://newspicks.com

【メインの読者層】
20~40代の日本のビジネスパーソン

【記事の公開日】
直近1週間

【トピック】
#サイエンス#最近の流行#ライフスタイルに関連するテクノロジー#世界のビッグな経済ニュース#日本

【条件】
・記事のURLを張る
・それぞれのトピックにまつわる記事を3つずつ挙げる
・その記事にキャッチーな日本語のタイトルをつける
・日本語で回答する
ChatGPT...すごく立派なキュレーターだったとは。
  • ✅ポイント
GPTとやりとりする中で、記事の「ジャンル」を適切な言葉に改善していくこと。

これによって精度が段違いに変わる。

②レポートの「内容」をつまみ食い

  • 情報を読み込ませ、要約してもらう
大学生が一番ChatGPTを使いたくなる瞬間と言えば、レポート・論文の執筆だ。
しかし、生成AIが常に正しい情報を伝えるとも限らないし、レポートの執筆に生成AIの使用を制限する大学もある。盗用の可能性もあるし「〇〇についてのレポートを書いといて!」と丸投げするのは危険だ。
それでもChatGPTを使ってどうにかレポート執筆を楽にできまいか...。
ここで考えついたのが「論文のabstractの抽出」だ。
レポート作成のため、それっぽい論文を読んでみるが、結局必要ないものだった
という経験をしたことのある大学生はたくさんいるだろう。
ChatGPTを使い、「この論文は、そもそも自分に必要な情報が載っているのか?」という点を判断することができれば、かなりの時短になるはずだ。
この論文を読んで、要約、調査対象、議論、結論、考察について日本語でわかりやすく教えてください
うまく抽出してくれた。この論文は読んでみるかいがありそうだ。
  • ✅ポイント
これは文系の論文。理系の方は、「目的、仮説、実験方法、結果、考察」と指示するのがよい。
  • ✅応用
論文を使った場合、「この論文のAPAのcitationを書いてください」と言うと、参考文献に書く引用を作ってくれる。便利なので、ぜひ使ってみてほしい。

③企業の情報を下調べする

大学生インターンでも、編集部の記者と共に取材に行くことがある。当然、そんなときには取材の準備が必要だ。
取材先の企業の基本的な情報をまとめておくだけでなく、取材のヒントももらえるとなおうれしい。
そんな時に役立つのがこのプロンプトだ。
あなたはNewsPicksで働く、プロの経済記者です。

以下の参考サイトと事前情報を読み込んで、取材先の情報を完璧にまとめた取材先情報シートを作成してください。

【取材先企業の参考サイト】
https://www.honda.co.jp/

【事前情報】
#自社サイト https://newspicks.com/
#メディアの種類 経済・ビジネスニュース
#読者層 20〜30代の日本のビジネスパーソン

【取材先情報シート】
以下の取材先企業の情報を詳細にまとめて出力してください。

#会社名 #代表名 #設立年月 #事業内容 #時価総額 #NewsPicksの読者が好きそうな取り組み #取材先企業の主要な活動 #取材のポイント
「読者が好意を持ちそうな内容」まで、丁寧に教えてくれた。
  • ✅ポイント
自社やサービスのサイトを読み込ませた方が精度が高まる。今回はNewsPicksのサイトを読み込ませた。

転用すれば、営業先の情報をまとめたり、人物のプロフィール情報をまとめたりもできるはずだ。

また、GPT-4を用いれば企業の有価証券報告書などのPDF資料を読み込ませ、財務を分析したりもできる。

④事業の「強み」を分析する

取材前に企業をリサーチするとき、就職活動で企業を研究するとき...。手っ取り早く知りたくなるのは、企業・事業が持つ「特有の価値」だ。
とはいうものの、統合報告書に目を通して考えてみても、いまいちしっくりこないのが世の常。
そこで使えるのが、この「センターピン発見機」だ。
  • センターピン
    特定のビジネスの成功に不可欠なビジネスの核となる要素で、そのビジネスが成功するためには欠かせない部分。
既存の企業でも、自分で思案した事業案でも聞いてみることができる。一言聞くだけで、ジャストミートの回答をくれるはずだ。
手前味噌だが、今回は「NewsPicks」について、センターピンを聞いてみた。
経済メディア「NewsPicks」のセンターピンを考えてください。
NewsPicksのセンターピンは、「専門家の洞察とアクティブなユーザーコミュニティの融合」だという。
これはほぼ合っていそうだ。
また、今後伸ばしていくべき部分も並行して聞いてみた。
かなり筋がいい回答にも思えるけれど、どうだろうか?
  • ✅ポイント
ChatGPTとのやりとりの中で、時間軸などもずらして考えてみると、非常によい示唆を与えてくれる。

また、あえてポジショントークをしても、違うものには「違う」と答えてくれるのもポイントだ。

⑤状況に応じたメールが完成

  • 指示に応じてメールを作成
編集部のサポートがメインのインターンでも、当然欠かせないのが「メール作成」だ。
取材のお願いはもちろんのこと、日々たくさんの外部の方とやりとりを交わす。
ミスや抜け漏れがないようにメールをしたため、丁寧に確認するという作業は、意外に時間がかかるものだ。
そこで色々試したところ、この「AIメールアシスタント」がとても有用だった。
要素をつらつらと箇条書きするだけで、簡単にメールの土台を作ってくれる。
あなたは経済メディア「NewsPicks」の記者です。
以下の条件に従って、メールを作成してください。

#宛先 〇〇大学 ▲▲教授

#件名 取材依頼のご連絡(NewsPicks山本)

#言葉遣い フォーマル

#概要
・弊社で、「中間管理職のマネジメント」に関する特集を予定
・管理職のマネジメントについて研究している▲▲教授に話を聞きたい
・1月20日までに取材したい
・オンラインでも、対面でもよい

#要望 気分を害さないように丁寧な文体を心がける。
あとは少しだけ体裁を整えて送るだけ。まさか生成AIが作ったメールだとは思わないだろう。
  • ✅ポイント
作成前に自分の過去のメールを読み込ませておくと、メールの文体の精度が高まる。その際、先方の個人情報などは伏字に変えておくようにすること。

また、今回は「GPTs」を使ったが、GPT-4やGPT-3.5に自分で打ち込んでも作れるはずだ。

⑥「手書き」でWebサイトを作る

私が大学で受けている講義の1つに、「エンタメ産業の新たなビジネスを考え、班でプレゼンテーションする」というものがある。
班で議論した結果、プレゼンの中で「Webサイトのイメージを見せる」事になった。
とは言ってみたものの、コードの書き方なんて誰も知らない。
そこで相談してみたのが、頼れる班員、ChatGPTだ。Webサイトの絵を描き、サイト制作をお願いすると、一気にコードを書き上げてくれた。
山本筆。画力がなさすぎるが、伝わるだろうか。
ランディングページを作ってください。
デザインは、添付した写真のように作ってください。
まず、イラストから、私の作りたいページの意図をくみ取ってくれた。この言葉ののち、HTMLとCSSのコードを生成してくれた。
コードをコピペし、指示通りに入力してみると、以下のようなサイトに。
余白も多く、まだまだ完成とはいえない。
イラストと比較し、まだ足りない要素があるので追加で指示を出す。
  • 「上部に文字を足してください」
  • 「背景色を変えてください」
  • 「音楽を再生し、調整するバーを作ってください」
複数回のやりとりを経て、最終的には以下のようなサイトになった。
調整バーはJavaScriptで作られ、再生ボタンでちゃんと動く。
プログラミング知識ゼロの私でも、簡単にWebサイトのモックアップを作ることができた。
プレゼンが楽しみである。
  • ✅ポイント
「省略せず、コピペするだけでサイトが作れるように」と念を押すこと。

これを言わないと、例えば今回のように3つの箱を作るとき、「あと2つは同様のコードを書いてください」などと言われ、コピペするだけでは作れなくなってしまう。

⑦「プレイリスト」を作ってしまえ

学生は、遊びに行くのもまた本分……なはず。
友人と車で遠出することも多いし、移動中には、当然音楽を流したい。けれど、意外に悩ましいのが、その「選曲」だ。
必ずしも音楽の趣味が似ているわけではないし、流行りの曲だけを聞くのも味気ない。同年代だけとも限らないだろう。
そこで使えるのが、Spotifyと連携したGPTs「PlaylistAI」だ。指示に応じて、プレイリストを作ってくれる。
実際に、ドライブに使えるプレイリストを作ってみた。
Spotifyでプレイリストを作ってほしいです。
以下の条件に基づいて、プレイリストを作ってください。

【プレイリストのタイトル】
ドライブ用プレイリスト

【プレイリストの条件】
・人気のある、みんなが知っているような日本の曲
・ドライブの際に気兼ねなく流せる
・プレイリストの曲数は100曲
・年代を均一にばらけさせる

【曲の対象期間】
1998年~2023年
  • ✅ポイント
条件と違う場合、条件を改めて読み込ませること。

実際、今回最初に作ってくれたプレイリストは20曲しか入っていなかった。
このあと、改めて条件を読み込ませ、100曲という条件を満たすように指示。
最終的には、少しだけカラオケ音源などが入っていたものの、100曲を超えたプレイリストを作ってくれた。
そんなにアーティストが重複しすぎることもなく、かなり実用的なものができた気がする。
  • 👇実際に作ってくれたプレイリスト

⑧誰もが羨む「アイコン」を

SNSではアイコンを設定するが、これが簡単そうで意外に悩ましい。
まずもって設定できるほど自信がある写真はないし、ペットや趣味の写真だと誰かわからなかったりする。
このジレンマを解決してくれるのがDALL・E3だ。
細かい設定をすることで、思い通りの画風やポーズのアイコンを作ってくれる。
ここでは、アイコンに使えるようなイラストを生成するための生成文を紹介しよう。
  1. シンプルなアイコンを作成するとき
I would like to create icons for social networking sites. Follow the text below to generate the image. This image is 1:1 ratio.

I am a minimalist. Make the icon as simple as possible.

[ここに英語に翻訳したイラストの詳細を入力。
何文になっても構いません。(性別、特徴、服装、場所等)]
  • ②アニメ風の自画像を作成するとき
I would like to create icons for social networking sites. Follow the text below to generate the image.

This image is 1:1 ratio.This icon is anime illustration.

[ここに英語に翻訳したイラストの詳細を入力。
何文になっても構いません。(性別、特徴、服装、場所等)]
  • ✅ポイント
一つわかったのは、日本語入力よりも英語入力の方が精度が上がること。

また、特徴や属性を具体的に指示すればするほど、思い通りの画像を生成することができる。

「どんなアイテムを身に着けていて、どのようなポーズなのか」という点を、とにかく細かく指示してあげることがポイントだ。

⑨就活の「面接」でもGPT必須

多くの大学生が避けて通れない「通過儀礼」が、就職活動だ。
就活では、多くがいくつもの企業の採用試験を受けるわけだけれども、それぞれの会社を自力で調べ、分析するのも骨が折れる。
その上で、それぞれの企業に合った準備をするわけだから、どこかで少しは効率化したいもの…。
ということで、ここで「面接対策」にフォーカスしてみた。
具体的には、企業のビジョンや経営方針を読み込ませ、採用担当者がしてきそうな質問を考えてもらった。
今回は例として、2023年12月の特集で会長インタビューが評判だった、リクルートの想定質問を考えてもらおう。
#お願い
あなたは株式会社リクルートの新卒採用担当のプロフェッショナルです。

新卒採用において、大学生の求職者と面接することになりました。
あなたの企業が求める求職者かどうか判断するために必要な質問とその質問の意図を、10個作成してください。

質問を作る際、下記のURLを読み込んで参考にしてください。

#URL
https://www.recruit.co.jp/
https://www.recruit.co.jp/employment/students/about/

# 条件
・質問を通して、あなたは求職者の持つ能力を知りたいという意図があります

・質問には、求職者が活躍することができるか、自社の風土やカルチャーに合うかを見極める意図があります

・質問はなるべく求職者の具体的な経験を掘り下げる形式にしてください。抽象的な質問では求職者の本質を見極められません。

#出力
表形式:|質問|意図|
なかなか網羅的に、個社にフォーカスした質問案を作ってくれた。
ここで、これらの質問をより掘り下げるための質問を聞いてみる。
この質問をさらに展開するに当たり、考えられる掘り下げ方を5個挙げてください。
(#条件#出力は上記をコピペ)
個人的には、一番上の「フィードバック」に関する質問は考えていない切り口だったため、ヒヤッとさせられた。
ChatGPTさま、どうもありがとう。
  • ポイント
ウェブサイトを読み込ませることで、一般的な質問から独特な質問へと変わっていく。

また、質問を選択してプロンプトを送信することで、深掘りの実践度が高まる点もポイントだ。

⑩「雑談力」もGPTで鍛えればいい

「ファシリテーター」として会議を円滑に進めるのは、難しい。
特に、あまり関係値のないメンバー同士がいたりすると、不安が募る。
実際、私がモデレーターを務めるNewsPicksのトピックスの運営でも、インターン生やStudent Pickerに関係性がない中でのミーティングが行われたりする。
就活中にインターンで同じ班になった人たちと打ち解けるきっかけも、意外に難しいものだ。
こんな時に重要なのが、「アイスブレイク」と言われるもの。つまり、緊迫した雰囲気を和ませる会議の「入り」となる雑談だ。
ということで、効果的なアイスブレイクはどんなものなのか、具体的な会議シーンをイメージさせて、ChatGPTに考えてもらう。
#お願い
あなたは会議のファシリテーターです。
効果的なアイスブレイクを行うための内容を3つ提案してください。

#目的
はじめて顔を合わせるメンバーの緊張を解き、会議を効率的に進め、円滑なコミュニケーションを行うため。

#情報
・会議の内容:新しい班メンバーの顔合わせ。新しい企画の提案と取材先の決定。
・会議の参加者:10名(記者4名、編集者3名、動画制作チーム3名)
・参加者の特徴:新入社員と上長で年の差がある。それぞれ関係性があまりない人も交ざっている。

#ルール
・アイスブレイクは一人当たり30秒程度で完結する
・過度にカジュアルなアイスブレイクはしない
・人柄がわかったり、共感が生まれたりするものがよい

#出力
|提案番号|アイスブレイクのタイトル|アイスブレイクの内容|必要なアイテム|
異文化体験なんかは興味深い。今度の会議の「入り」に使ってみよう。
  • ✅ポイント
会議の目的や情報、アイスブレイクの意図をそれぞれ明確に指示することで、より状況に合ったコンテンツが出力される。