24年度に物価高上回る所得増 政府予測、脱デフレ近づく
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最新の民間エコノミストコンセンサス通りに今後も消費者物価が推移すると仮定すれば、23年のインフレ率+3.1%に対して24年のインフレ率は+2.4%に鈍化することになります。
そして、家計の一人あたり負担増加額は23年に前年から+3.7万円(4人家族で+14.9万円)増加することに加え、24年は+2.9万円(4人家族で+11.4万円)増加すると試算されます。
定額減税4万円で24年の物価高による負担分を賄える計算になりますが、予想以上にインフレ率が上昇したりすれば、定額減税だけでは負担分を賄えなくなる可能性もあることには注意が必要でしょう。「内閣府は2024年度に物価高を上回り、所得が増えるとの予測をまとめた」 (@@。
今年の春闘の賃上げ率が高かったことを踏まえて「賃上げが重要との認識が労使ともに拡がり来年も期待が持てる」といった主張が政府筋を中心になされていますが、厚労省の毎月勤労統計調査によれば、一昨年プラス0.8だった実質賃金の前年比が昨年はマイナス1.6%の減少に転じ、今年はマイナス2.5%に達します(1月から10月までの各月の単純平均)。
昨年度の物価上昇率は3%に及び今年度の上昇率も3%に達することは先ず間違いなく、今年の春闘の賃上げが物価の後追い、それも不十分な後追いに過ぎなかったことは明らかです。たとえ春闘の賃上げ率のうちベアの占める割合がその時点のインフレ率をたまたま上回る現象が来春起きたとしても、これまでのマイナスをカバーして恒常的に所得を増やし、庶民の懐を潤すほどの賃上げが期待できるとは思えません。
そもそも人手不足の我が国で、19カ月連続で実質賃金が前年を下回る現象が起きたのは何故なのか。円安で交易条件が悪化して賃金原資たる日本の価値が海外に流出し、インフレで実質賃金が下がる現象の根本原因をなんとかしないと、冒頭の甘い囁きも、所詮は一時凌ぎに終わりそう。かてて加えて社会保険料の増加と“定額減税”等を取り戻すための増税も待っていますしね。 ( 一一)
とはいえ、冒頭の政府の予測が当たってくれることを心から念じる気持ちは変わりません (^.^)/~~~フレ!過去2年間、実質賃金、実質所得は前年割れしていましたので、24年度の単年度の前年比プラスの見通しで、満足してしまってはいけないのでしょう。過去の実質賃金、実質所得の目減り分を補えるだけの賃上げが25年度以降も続いてほしいです。
なお、この実質賃上げとは別問題として、デフレ脱却宣言だけは、早く「片付けて」ほしいです。政府が決めた、1.
CPIインフレ率、2.GDPデフレータ、3.単位労働コスト、4.需給ギャップの4条件はもう満たしたのだ、と政府がしっかりと事実認定したうえで、政府、政治家のリーダーシップでデフレ脱却宣言しないと、物価高で苦しむ国民の怒りの矛先が日銀にばかり向かうことになります。