Maha El Dahan

[ドーハ 18日 ロイター] - 世界最大級の液化天然ガス(LNG)輸出国カタールのエネルギー担当国務相で、国営カタール・エナジーを率いるカアビ最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューに応じ、アジアと欧州との間で新規のLNG長期供給契約を締結する見通しを明らかにした。契約のうち数件は「間近だ」と述べた。

2022年にロシア軍がウクライナに侵攻して以降、カタール産LNGの争奪が激化している。特に欧州は輸入に占めるロシア産の割合が約40%を占めていたため、代替確保が急務となっている。

カアビ氏はカタール・エナジー本社でインタビューに応じ、「欧州に関しては、まさに真剣な交渉の最中で、欧州の一部の地域に関する交渉では、それ以外の地域よりも突っ込んだ話し合いをしている」と明らかにした。その上で、「LNGを購入しているアジアの国は全てカタールに交渉を持ちかけているし、案件のうち一部については契約に向けた最終局面に非常に近い」と付け加えた。

また、同氏によると、カタール・エナジーは「付加価値」が期待できそうな取引先と「真剣かつ前向きな協議」を行っているという。そうした過去の取引先の例として、同氏は中国国営石油大手の中国石油化工(シノペックグループ)や中国石油天然ガス集団(CNPC)が合弁事業に出資したことを挙げた。

さらに同氏は「(カタール・エナジーは)来年に必ず何か発表するつもりだ」と語り、アジアの交渉相手国が「長期契約の準備」に入っていることをも明らかにした。

カタール・エナジーは、世界屈指のノース・フィールド天然ガス田拡張計画で欧州やアジアの取引先と既に契約している。生産能力を27年までに引き上げる予定だ。

同氏によると、ガス田拡張に伴う新規生産を26年に始める方針で、その際は「数カ月ごとに」新規のトレイン(設備ユニット)が稼働する。26年までにさらに長期契約が結ばれると見込み、LNGスポット市場向けに残る量は「大きくはならないだろう」と話した。