Joanna Plucinska

[ロンドン 18日 ロイター] - ブリュッセルに本拠を置く環境非政府組織(NGO)の「交通と環境」(トランスポート・アンド・エンバイロメント)が18日発表した調査報告によると、世界的に事業展開する217社のほぼ半数が、出張に伴う2022年の炭素排出量を19年に比べて、少なくとも50%減らしていたことが分かった。

新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)後、企業と顧客間のオンライン会議や鉄道の利用が広がり、出張時の航空需要が少なくなったことが背景にある。ただ、レジャー時の航空需要はビジネス利用に比べれば回復ペースがかなり速いという。

同NGOは、地球温暖化を防ぐため気温上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑えるため、航空機を利用した出張を30年までにパンデミック以前の半分に減らす必要があると指摘している。

発表した調査報告は「トラベル・スマート・エミッションズ・トラッカー」。それによると、ドイツのソフト開発大手SAPや、大手会計事務所の英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、英金融大手ロイズ・バンキング・グループは航空機を使った出張に伴う炭素排出量を19年比で75%超削減した。

一方で、米防衛企業L3ハリス・テクノロジーズや米医療機器大手ボストン・サイエンティフィック、米ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルは69%超も増やしていた。この3社はコメント要請に応えなかった。

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