【最前線】空間から全てを取り去っても残る「何か」を測った
NewsPicks編集部
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サイエンスの面白さ、奥深さを伝える連載「ディープな科学」。今回の記事では「真空に満ちている何か」を巡り、世界初の快挙となった実験の成果を取り上げます。しかもその「何か」は、物質の質量の起源という本質的な問題に深く関わっています。
質量の起源というと、ヒッグス粒子を思い浮かべる人も多いかもしれません。ところが、ヒッグス粒子で説明できるのは質量のわずか1%、残りの99%はまだ未解明です。今回の成果はなんと、この「99%の謎」にググッと迫る内容なのです。
あいにくその「何か」を直接測定することは難しく、研究者たちは埼玉県和光市にある理化学研究所仁科加速器科学研究センターの超電導サイクロトロンを用い、工夫を凝らした実験で難題に挑みました。実験の内容はかなり複雑ですが、挿入図も参考にしつつ、世界最先端の実験物理学の挑戦を味わっていただければ幸いです。「クォーク凝縮の量を過去最高の精度で測定できました」という成果。日本ではこうしたハードサイエンスについても何の役に立つのかと短絡的な質問がなされがちだけど、数十年〜数百年のスケールで予見不能な社会の発展に寄与するものだと考えるべき
取材・執筆を担当しました。
真空という言葉は、字面からすれば「真に空っぽ」のはずなのに、現代物理学によるとそうではないのだと言います。
本記事では、真空に満ちるヒッグス粒子(ヒッグス場)やクォーク凝縮という不思議な存在の話を取り上げました。実は本記事では取り上げていませんが、さらにダークエネルギー(暗黒エネルギ)なるものも真空を満たしていると考えられています。
本記事で現代物理学の奥深さ、摩訶不思議さを感じてください!