2023/12/17

【最前線】空間から全てを取り去っても残る「何か」を測った

NewsPicks編集部
物理学の最前線では、私たちの常識的な感覚とは相容れないような事実が次々と明らかになっている。
空気などの物質を取り去った空っぽの空間には、‟見えない何か”が満ちていることをご存じだろうか。
理化学研究所を中心とした国際共同研究グループは、世界で初めて、その“何か”がどのくらい真空に満ちているかを測ることに成功し、イギリスの科学雑誌『Nature Physics』オンライン版で3月23日に発表した。
見えない何かは「クォーク・反クォーク対」と呼ばれるものだ。
「空っぽのはずの空間に何かが満ちている」なんて、まるで禅問答のようだが、いったい研究者たちは何を明らかにしたのだろうか。実験を行った理化学研究所の西隆博研究員と板橋健太専任研究員に話を聞いた。
INDEX
  • 真空に満ちるヒッグス粒子
  • 質量の99%は謎のまま
  • 鍵握る「クォーク凝縮」
  • 「クォーク凝縮の減少」を測る
  • 真空は空っぽではない

真空に満ちるヒッグス粒子