2023/12/19

世界で通用する人材へ。「尖った専門性」を育む、グローバルキャリアの築き方

NewsPicks, Inc. Brand Design Editor
「将来、グローバルに仕事をしたい」「世界のどこでも通用するスキルを身につけたい」──。
グローバルキャリアを志す人にとって一つの選択肢となるのが、コンサルティング業界だ。しかし、海外経験や英語力の不足、ロールモデルの不在などから、ハードルが高いと感じる人も少なくない。
では、実際にグローバルプロジェクトを牽引するロールモデルは、どのようにキャリアを築いてきたのだろうか。
50を超える国々、100以上の都市に拠点を擁し、グローバル・ネットワークを持つボストン コンサルティング グループ(BCG)で活躍する2人のコンサルタントの道のりから、グローバルキャリアの築き方と醍醐味を探る。
INDEX
  • 言語と文化の壁を越えた経験が自信に
  • 「尖った専門性」と「傾聴力」がカギ
  • 挑戦とサステナブルな働き方を両立する文化
  • 充実した英語研修プログラム

言語と文化の壁を越えた経験が自信に

──藤崎さんは2017年に新卒でBCGに入社し、プロジェクトリーダーとしてグローバル案件に携わっています。どのようなきっかけから、グローバルキャリアを志したのでしょうか。
藤崎 私はもともとブランディングに興味があり、企業の中長期戦略の策定や新規事業の創造を支援することが企業の究極のブランディングになると考え、コンサルタントを志しました。
 グローバルキャリアを意識した最初のきっかけは、当時BCGに在籍していた津坂美樹さん(現・日本マイクロソフト代表取締役社長)の存在でした。
 津坂さんは、グローバルの経営会議メンバーやCMO(最高マーケティング責任者)などを経験した、まさにグローバルBCGの中心にいた方です。
 経営コンサルティングファームのグローバルのトップに日本人の女性がいることに驚きと憧れを抱きましたし、津坂さんのように世界で活躍できる人材になりたいと考えBCGに入社しました。
──中根さんは日本政策投資銀行を経て、2023年1月にBCGにジョインされています。
中根 私がグローバルに活躍したいと考えたきっかけは、学生時代のオーストラリアへの留学経験と前職での海外プロジェクトの経験が大きいです。
 留学中の生活や現地の方との関わり合いを通じて、自分がこれまで見ていた世界が限られたものだったと気づきました。
 また前職では国内案件が中心でしたが、海外案件に携わる機会も少しありました。海外クライアントとの交渉等を通じて、グローバルで活躍したいという気持ちがより一層高まりました。
 こうした経験を踏まえ、多様なバックグラウンドや価値観を持つ人と働くことができ、かつ以前から興味があった企業の戦略策定にまで携わることができる点から、BCGにジョインしました。
──BCGに入社後、これまでどのようにグローバルキャリアをデザインしてきましたか。
藤崎 BCGでは多くのプロジェクトで日常的に海外オフィスのエキスパートと話す機会や英語でレポートを書く機会などがありますが、大きな転機が訪れたのは入社3年目のときです。
 海外オフィスと合同の案件で、はじめてプロジェクトリーダーを任されることになりました。
 日本とある国の間でエネルギーのサプライチェーンを構築するために、どのパートナーと組み、どの港に拠点をつくり、現地政府に対してどう働きかけるかなどの戦略をゼロから考えるプロジェクトでした。
 日系企業のクライアントとは日本語で議論しますが、メンバーとの議論はすべて英語。日本人だけでなく、海外のメンバーもいるなかプロジェクトをリードした経験を通じて、グローバルプロジェクトの面白さや醍醐味を実感しました。
 一方で、私は留学経験があるわけでもないですし、真の意味で海外のBCGメンバーや現地のパートナー企業の働き方、コミュニケーションの特性を理解しきれていないのではないか、もっとうまい協働の仕方があったのではないかという課題も感じていました。
 そこでよりグローバルで通用するような人材になりたいと考え、社内選考を経て2021年に社費でMBA留学をしました。
──留学を経て、ご自身の中でどんな変化がありましたか?
藤崎 英語が得意ではないだけに、急に自分が力不足になったように感じ、それまで日本で築いてきた自信を喪失しました。
 そこから、学内のプロジェクトなどでリードを取る経験をコツコツ積み上げたことで、今は揺るぎない自信が持てるようになったと思います。
 また留学前はマネジャーとして、自分がすべて完璧に準備しなければという思いがありました。しかし、留学を経て、苦手な部分はチーム内の得意な人に頼めばいい、助け合うからチームで働いている意味があるんだと考え方が変わりました。
 変に気を張っていた部分がなくなって、弱さを認められるようになったのかな、と。そのうえで、チームで助け合うことでより大きな価値を生み出せるのだと考えるようになりました。
──中根さんは、印象に残っているプロジェクトはありますか。
中根 印象的だったのは、日本の再生可能エネルギーを海外に輸出するための実行戦略を策定するプロジェクトです。
 輸出対象地域を検討する中で、法律が整備されていない、現地情報を得づらい東南アジアやオセアニア、北米の現地オフィスのエキスパートに話を聞いて情報を集め、戦略を考えました。
 グローバルプロジェクトには、言語・カルチャーの壁が往々にしてあります。たとえばクライアントの問い、自分たちの仮説など、日本人同士であれば簡単に通じ合えることも、言語や文化が異なれば認識がずれてしまうことも出てきます。
 そのため、プロジェクトの関係者とクライアントの特性や、日本ならではの特殊環境、自分たちの仮説の背景等を丁寧に対話することの大切さを学びました。

「尖った専門性」と「傾聴力」がカギ

──こうした経験から、お二人は「グローバルで活躍する条件」をどのように考えるようになりましたか。
藤崎 私は特に、「尖った専門性」を持つことが大切だと考えています。
 東京オフィスでは幅広い産業やテーマの案件を扱っていますが、グローバルのオフィスでは地域や産業の特性を踏まえ、エリアごとに得意な業界やテーマがあるオフィスもあります。
 そのため、日本の場合は「さまざまな領域をカバーできます」という人が多いのに対し、海外では「私はこの領域のエキスパートです」と専門的な知見を持つ人が多い。
 グローバルでキャリアを築くためには、こうした尖った専門性を持つ人と勝負しなければなりません。そのためには「この領域なら誰にも負けない」と自信を持てる専門性を身につけることが大切だと思います。
 また、国ごとに文化は違えど、結局は人対人。コンサルタントとして「お客様が何を求めているのか」を深く理解し、謙虚に傾聴する力も重要になります。
中根 とても共感します。私自身まだこれから経験を積んでいく段階ですが、海外の土地勘がない地域でも、自分の知見や専門性をいかに発揮できるかが大切だと感じています。
 私は、前職で培ったファイナンスの知見を生かしながら、異なる領域を掛け算して専門性を高める必要があると考えています。今キャリアの軸としているのは、「ファイナンス×脱炭素」の領域です。
 今後も自分ならではの専門性を高めるために、積極的にファイナンスと脱炭素関連のプロジェクトに手を挙げ、経験を積んでいきたいと思います。
 また特定の業界に詳しかったとしても、その知見をグローバルで横展開するためには各国のチームと連携して議論を発展させなければなりません。そのためには、確かな専門性に加えて、「柔軟なコミュニケーション能力」を身につけることも大切だと感じています。

挑戦とサステナブルな働き方を両立する文化

──お二人の話からは、自身のキャリアの軸や専門性を育むために、主体的にプロジェクトを選択されてきたように感じます。
藤崎 そうですね。BCGの特徴として、自分の興味に応じてプロジェクトを希望し、選択できる環境があります。
 私はデジタルとビジネスの交差点に立って、両方の橋渡しをできるような人材になりたいとの思いで帰国後はBCGのデジタル専門家集団BCGXへの派遣を希望しました。
 もともとやってきたエネルギー領域での専門性を高めつつ、弊社が抱えるデジタル領域のエキスパートと事業会社のクライアントの間をつなげるような存在になりたいと考えています。
 またBCGは年次に関係なく、若手にどんどんチャレンジをさせるカルチャーがあります。「社内ではいくらでも失敗していいし、クライアントとのミーティングで失敗してもフォローするから」とシニアのメンバーが声をかけてくれるので、自分の能力をストレッチさせながら、成長できる環境です。
 私が担当していたインフラ業界でのプロジェクトでは、年次が高いクライアントメンバーの方との打ち合わせが多かったのですが、プロジェクトの冒頭に必ず「彼女は若く見えますが、僕たちは信頼してプロジェクトリーダーを任せています」と上司が言ってくれて、心強く感じました。
──中根さんは日系企業からの中途入社ですが、カルチャーの違いを感じた点はありますか?
中根 まず、入社して1〜2週目に海外オフィスの人たちと英語で研修を受けたことに驚きました。改めて、BCGがグローバル企業であることを実感しました。
 もう一つ、良い意味でカルチャーショックを感じたのが、BCGでは「チーム全員にとっての効率的な業務の進め方」がグローバル全体で浸透していることです。
 日系企業では、突発的に業務が増えて忙しくなったときでも、「自分が担当だから、やり切ろう」で終わってしまうことも少なくないと思います。
 でもBCGでは、グローバルで導入されているプロジェクトマネジメントやチームマネジメントの手法を日本でも取り入れています。
 プロジェクトを始める前に、それぞれの業務の割合や働き方を確認し、割合に応じた業務量の配分や調整をするなど、個々人の働き方をできるだけ尊重したプロジェクト運営を行っています。
 だからタイトなスケジュールでも一人に業務が偏ることなく、効率的にサステナブルに働ける環境になっているのだと感じました。
藤崎 BCGではプロジェクトが始まる前にプロジェクトリーダーと面談して、自分の今の成長課題やプロジェクトを通して何をしたいか、何が得意で、苦手なものは何に起因しているかなどを相談します。
 そのうえで適切に業務を振り分け、「あなたは今これが課題だから、今回のプロジェクトでこういう工夫をしてみようか」と成長を支援します。
 コンサルティング業界は多忙なイメージがあるかもしれませんが、BCGでは一人ひとりの成長に合わせて業務の内容や進め方を丁寧にすり合わせながらプロジェクトを運営しています。
 加えて特徴的なのが、「フラットなカルチャー」です。BCGで重視されるのは誰が言ったかではなく、どんな意見を言ったかです。年次に関係なくフラットに意見を交わし、やる気がある人、能力がある人の挑戦を応援するカルチャーがあります。

充実した英語研修プログラム

──改めてお二人が、BCGで働く理由や仕事の醍醐味について教えてください。
藤崎 私がBCGで働き続けている理由は、BCGのグローバルのネットワークや最先端の知見を活用できることで、私個人で出せるよりもはるかに大きな価値をクライアント・社会に提供することができると考えているからです。
 BCGが世界中で築いてきた最先端の知見と信頼があるからこそ、クライアントは私たちの提案に価値を感じてくれますし、年次にとらわれないチャレンジができています。
 こうした環境はとても刺激がありますし、グローバルに活躍したい人にとって大きなやりがいになるはずです。
中根 BCGの日本オフィスではグローバルプロジェクトが年間3桁以上あります。各国のオフィスのエキスパートとのやり取りは日常的に行いますし、若手でも海外のメンバーと一緒に働く機会があふれています。
 グローバルのネットワークを駆使することでBCGならではの価値を生み出し、世の中にインパクトを与えていく。それを肌で感じられることは、貴重で代えがたい経験になると思います。
──グローバルキャリアに潜在的に興味は持ちつつも、自分にはハードルが高いと感じる人も少なくありません。最後に、グローバル活躍に興味がある読者にアドバイスをお願いします。
藤崎 私自身、BCGに入社する前には留学経験はなく、当初は英語での業務遂行に課題を感じていました。
 そのため入社後は海外で3カ月語学を学ぶプログラムに手を挙げて参加したり、社内の選抜を経てMBA留学に行ったりとプロジェクト以外でもさまざまな経験を積み、自信をつけながら成長することができました。
 BCGでは多様な英語学習のサービスを利用できます。私自身も着実にステップを踏み、学習と実践を積むことでグローバルな環境を最大限活用しながら、クライアントのために価値を創出することを楽しんでいます。
 またBCGには、自分がやりたいことに挑戦できる環境や選択肢が豊富にあります。
 たとえやりたいことが前例のないことだったとしても、「どうしたら実現できるかを一緒に考えてみよう」と、それが実現できるようにさまざまな関連部署やチームに働きかけたり、悩みがあれば手を差し伸べアドバイスをくれたりと、いい意味でおせっかいな人に囲まれている環境です。
中根 私にとって、日系企業から外資企業であるBCGへの転職は大きな挑戦でした。
 「入社後にやっていけるか」と不安を感じていましたが、1年経った今、コンサルタントとして独り立ちしつつあり、グローバルな環境を実感しながら充実した日々を送っています。
 入社前はハードルが高いと感じることもあるかもしれませんが、BCGは人材育成に力を入れており、想像以上に人や制度のサポートが充実しています。
 世界を舞台に活躍したい、日々成長を感じたいという方は、ぜひBCGに一度興味を持ってもらえるとうれしく思います。
【BCG 特別キャリア採用セミナー開催】〜日本支社長 佐々木靖氏も登壇〜
● 対象:経営/戦略コンサルタントとしてのキャリアを積むことにご興味のある方(コンサルティング経験や資格は不問です)
● 日程: 2024年 2月8日(木) 19:00‐(2時間程度)
● 形式: オンライン開催 (Zoom)               
詳細・お申し込みフォームはこちら