Suhaib Salem Nidal al-Mughrabi

[ガザ 1日 ロイター] - イスラエル軍は1日、イスラム組織ハマスが戦闘休止合意に違反したと非難し、パレスチナ自治区ガザに対する攻撃を再開した。ガザ保健当局は、イスラエル軍の空爆で夕方までに184人が死亡し、少なくとも589人が負傷したとしている。

戦闘休止合意の期限が切れた夜明け直後、ガザ地区南部のカーンユニスの東部地区が激しい砲撃にさらされたほか、これまでに激しい戦闘が繰り広げられたガザ地区北部でも爆発音が響き、廃墟の上に巨大な煙が立ち上るのがイスラエル領内から確認できた。

こうした中、イスラエル南部に対しガザ地区の海岸沿いからロケット弾による攻撃が行われたことで、空襲警報が発令。ハマスはテルアビブを標的にしたと表明しているが、これまでのところ死傷者や被害の報告はない。

イスラエル軍は、陸空海軍を投入し200カ所を超える「テロリスト標的」を攻撃したと表明。ガラント国防相は、イスラエル軍の戦闘機に搭乗し攻撃を間近で視察したとし「結果は印象的だった。ハマスが理解するのは力だけだ。われわれは戦争の目的を達成するまで実施する」と述べた。

国連人道問題調整官事務所(OCHA)のラーケ報道官は「地上の地獄がガザに戻ってきた」とし、戦闘再開を受けた人道的緊急事態の悪化を警告している。

パレスチナ赤新月社によると、イスラエル軍はガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所からの援助物資の搬入を全て停止した。

<レバノン南部でも死者>

イスラエルとハマスの戦闘再開を受け、イスラエル北隣のレバノンに拠点を置く親イラン組織ヒズボラとの紛争が再び激化するとの懸念が高まる中、レバノンの国営メディアは、イスラエル軍の攻撃によりレバノン南部で少なくとも3人が死亡したと報じた。

ヒズボラは、ガザ地区のパレスチナ人を支援するため、国境にあるイスラエル軍の拠点を数回攻撃したと表明。ヒズボラ幹部のハッサン・ファドララ氏は「警戒を怠らず、いかなる危険にも立ち向かう準備を常に整えている」とし、「レバノンがシオニストの標的から免れ、ガザで起きていることがレバノンの状況に影響しないなどと、誰も考えていない」と述べた。