Hyonhee Shin

[ソウル 30日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は、同国が主権を巡り米国と交渉の席に着くことはないと述べ、米国は地域で軍事活動を強化しながら対話を呼びかけていると非難した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が30日に伝えた。

与正氏は北朝鮮による最近の偵察衛星打ち上げを巡り、今週開かれた国連安全保障理事会で米国が「極端な二重基準」を示したと指摘した。

27日に開催された安保理では、米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使と北朝鮮の金星国連大使がテーブルを挟んで競うように発言。それぞれが自衛のために行動していると主張した。

与正氏はグリーンフィールド氏について、北朝鮮の宇宙開発に対する主権的権利を否定する「正当な根拠」を欠いているにもかかわらず、北朝鮮との協議再開に向けた取り組みを強調したと指摘。

朝鮮半島に配備された米原子力空母と原子力潜水艦による挑発的な軍事活動と対話再開の努力の兼ね合いをどう取るのかについても、論理的な言い訳ができなかったと非難した。

「独立国家の主権が交渉の議題となることはあり得ず、そのために北朝鮮が米国と対話することはない」と語った。

また、地域の平和と安定を損なうのは北朝鮮の宇宙開発計画ではなく、米国の二重基準と「高圧的で恣意(しい)的な慣行」だとした。

KCNAはまた、正恩氏がサンディエゴの米軍基地と嘉手納基地の衛星写真を確認したと伝えた。これとは別にKCNAは、韓国が米軍との共同軍事訓練を通じて挑発的な動きを強めていると批判した。