Michael S. Derby

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は29日、インフレ圧力が緩和されたことで、連邦準備理事会(FRB)は金融政策の次の動きを決める時間が得られたと述べた。

メスター総裁はシカゴで開催された金融を巡る会議での講演原稿で「インフレ率は(FRBが)目標とする2%をなお上回っているが、経済全体が比較的堅調に推移している中でも、インフレに明らかな進展が見られている」と指摘。インフレ目標の達成には時間がかかると予想されるとしながらも、FRBの金利政策は「機敏」である必要があり、「現在のフェデラル・ファンド(FF)金利の水準は、機敏であるために良い位置にあると考えている」と述べた。

メスター総裁は、追加利上げの可能性や、FRBの政策金利がいつまで高水準に維持されるかは「経済が期待通りに進展しているかどうか、リスクがどのように変化しているか、また、物価安定と最大雇用という(FRBが担う)2つの責務の達成状況によって大きく左右される」と語り、追加利上げの可能性は否定しなかった。

このほか「不確実な経済環境の中で動いている」との認識を示し、金融政策がどの程度制約的で、これまでの引き締めがどの程度経済に浸透しているのかはまだ分からないと述べた。

また、FRBの利上げで金融が引き締まり、需要が減速したと指摘。「経済活動と雇用の伸びは鈍化したが、米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーを含むほとんどの予想よりは回復力を保っている」と述べた。

FRBのバランスシートについては、FRBがFF金利誘導目標をどのように操作しようと、バランスシートを縮小させることができるとの考えを示した。

メスター総裁は来年6月に退任する。