Michelle Nichols

[国連 29日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は29日に開かれた国連安全保障理事会で、イスラエルとイスラム組織ハマスの武力衝突でパレスチナ自治区ガザは「壮絶な人道的大惨事」の真っ只中にあると警告した。

安保理はガザ地区の情勢について協議するために会合を開催。グテレス事務総長は「(イスラエルとハマスの)戦闘休止の延長に向け集中的な交渉が行われている。われわれはこれを歓迎するが、必要なのは真の人道的な停戦だ」と述べた。

現在の安保理議長国としてこの日の会合の議長を務めた中国の王毅外相は「包括的かつ永続的な停戦に向け緊急的に取り組まなくてはならない。戦闘が再び始まれば、地域全体に災厄が拡大する恐れがある」と述べた。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「援助の規模を拡大し、国連職員やジャーナリストを含む民間人の保護に向け、可能な限りのことを行わなければならない」と指摘、同時に「米国はイスラエルに対し、自国民をテロ行為から守る権利を行使するにあたり、民間人の犠牲を防ぐためにあらゆる手段を講じるよう求めてきた」と述べた。

パレスチナのマルキ外相は「戦闘休止を恒久的な停戦にしなければならない。虐殺の再開は許されない」と述べた。

こうした中、イスラエルのエルダン国連大使は「イスラエル壊滅を目的とするテロ組織」を支持していると非難。「停戦を支持する者は、基本的にハマスがガザでテロによる支配を続けることを支持している。ハマスは大量虐殺を行うテロ組織だ。和平実現のために信頼できるパートナーではない」と述べた。