[16日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対して続落した。米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言と弱い米経済指標を受け、利上げが6月にも行われるとの観測が後退した。

終盤の取引で、ユーロ/ドル<EUR=EBS>は0.9%高の1.07800ドル。ドル/円<JPY=EBS>は0.13%安の118.98円。ドルの主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.78%安の97.553で、下げ幅は4月3日以来の大きさだった。

アトランタ地区連銀のロックハート総裁は「第1・四半期の一連の経済指標は米経済のすう勢を見極めづらい内容」となっており、それらを含む諸要因でFRBの政策決定が見通しづらいものになっていると述べた。

クリーブランド地区連銀のメスター総裁や、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁の発言もハト派的な内容だった。

3月の米住宅着工件数は市場予想に届かず、米新規失業保険申請件数は予想外の増加だったこともドルの売り材料となった。

<債券> おおむね小幅上昇。強弱まちまちの経済指標やギリシャの債務問題をめぐる不安などを背景に相場は上下に振れる展開となった。

終盤の取引で、指標10年債<10YT=RR>は3/32高、利回りは1.88%。一時1.92%に上昇する場面もみられた。

予想を下回る3月の雇用統計など一連のさえない指標を受け、国債相場は過去数週間値上がりしているが、その一方で経済が4月以降持ち直した場合、利回りは反転する可能性もあり、投資家は債券ポジションの大幅な積み上げには消極的となっている。

フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長はこの日、米経済は回復しており、賃金圧力が高まり、インフレ率が目標の2%に向かっている兆候が強まっているとの認識を示した。

<株式> 小幅安で引けた。この日上場した3銘柄はいずれも急伸し、投資家の期待が高まったが、企業決算への根強い警戒感がこれを相殺した。

<金先物> 小反落。前日に1200ドル台に乗せて終了したことから、この日は利食い売り圧力が強まった。

米フィラデルフィア連銀の4月の製造業景況指数が4カ月ぶりの高水準となったことも 安全資産としての金塊の売り材料となったもよう。

ただ、外為市場でドルが売られたため、ドル建ての金塊相場は割安感からの買いが入り、下げ幅は限定的となった。最近の一連の弱い米経済指標を背景に、米国の利上げ時期が当初予想より遅れるとの見通しが強まっているほか、ギリシャ問題の先行き 不透明感も下支え材料となった。

<米原油先物> 利食い売りが先行したものの、ドル軟化などを材料に買い戻され、6営業日続伸。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は、前日に続いて年初来高値で終了した。

時間外で56ドル台半ばまで続伸した後、利益確定の売りが出た。石油輸出国機構(OPEC)の月報が2015年の世界の原油需要見通しを上方修正した一方、加盟国による足元の産油量は増加していると指摘したことも相場の重しとなった。

ただ、立ち会い開始後は、国内需給の引き締まり期待を背景に下げ渋る展開。午後に入ると、外国為替市場でドル売り・ユーロ買いが加速する中、原油は割安感を追い風に急速に切り返した。終盤には、イエメン南部の石油輸出ターミナルが国際テロ組織アルカイダ系部族の支配下に置かれたとする報道も加わって、一時57.42ドルの高値を付けた。

*内容を追加します。