三菱UFJ銀行、50歳以上に社内FA制度 自ら異動志願
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年功序列・終身雇用(+企業内組合)が日本的雇用慣行と呼ばれる仕組みの特色ですが、終身雇用の意味するところは就職した会社で定年まで働き続けるということでなく、年齢と職位が上がってポストが足りなくなるに連れて子会社なり系列会社なりに順次人を送り出し、職業人生の最後まで面倒を見るというものでした。「銀行員は支店長や役員らを選抜する過程で、40歳代後半から順次関連会社や取引先の企業に出向・転籍するのが一般的だった」とありますが、影響力が及ぶ多くの融資先を持っていた”都市銀行(今のメガバンクの前身)“はその典型で、役員にならない銀行員は52歳程度を目処に全て退職金を受け取って “自主的に”退職させられていたのです。
銀行に限らず、大企業から系列の中堅企業、中堅企業から更に系列の中小企業への人の流れが終身雇用を支えていたわけですが、低成長で受け入れる側の中堅中小企業のポストが不足して人を出すのが難しくなって、「一定年齢で給与が下がる仕組み」を活用して本体が高齢者を抱え込むのが近時の動きでした。少子化が更に進んで人が足りなくなって高齢化も進み、いよいよ高齢者を社内に留めて本格的に使わなければならなくなって来たようですね。築いたキャリアを活かして適正な賃金で働けるのは当人にとっても会社にとっても良いことですが、自ら手を挙げて主張出来るほどのスキルを持たない多くの高齢者はどんな処遇になるものか。
会社に命じられた仕事を命じられた場所と時間でする義務を負うのと引き換えに終身雇用が保証される日本的雇用慣行は、働く人が自らスキルを磨いてキャリアを築くことを許さぬ仕組みです。それにどっぷり浸かっていると、どこに行っても通用する固有のスキルを身に着けることが難しい。君に出来ることは何?と問われても“課長ならできます”といった冗談みたいな答えしか出来ないことになるわけです。
高齢者でもスキルに応じて適正な処遇で働ける仕組みが拡がるのは良いことですが、自ら意識してスキルを磨いて置かないと、却って辛い思いをすることになるかも知れません (・・;ウーン