DJ-マイナス金利の副作用―欧州銀、借り手に利払いも(2)
2015/04/14, ダウ・ジョーンズ
スペインの別の銀行の幹部は、同行ではこの数カ月、短期物のEURIBORに連動する数千件の短期法人ローンについて、下限金利を設定し始めたと述べた。現在、2カ月物EURIBORはマイナス0.004%だ。同行では新規ローン契約について、EURIBORに上乗せする金利を引き上げている。
この幹部によると、中期物のEURIBORがマイナスに転じた場合、数十万件の新規ローン契約が影響を受ける。6カ月物 EURIBORは現在、0.078%を付けている。
マドリードの裁判所は昨年11月、同国最大の銀行サンタンデール銀行が住宅ローン金利に下限を設定したことは不当だとする顧客の訴えを退けた。原告は2005年にサンタンデール銀行から住宅ローンを借り入れた。1年目は2%の固定金利、それ以降はEURIBORマイナス1.10%という条件だった。原告は、現時点では銀行側が顧客に債務を負っていると主張していた。
裁判所はこの判決を強調するため、2014年6月のスペイン銀行の声明を引用し、こうした状況で顧客に有利な支払いが適用されることはあり得ず、むしろ金融機関によるゼロ金利の適用が妥当だとの判断を示した。
ポルトガルでは、住宅ローン金利の多くが3カ月物と6カ月物のEURIBORの月平均水準に連動している。どちらも着実に低下し、現在はゼロをわずかに上回る水準で推移している。
リスボン在住の不動産業者、ホアン・コエリョ・ダシルバ氏(53)の場合、3カ月物EURIBORが低下したおかげで、住宅ローンの返済額が月235ユーロに減った。2008年の契約開始当初は約450ユーロ支払っていた。
ダシルバ氏は「経済状態がこれだけ悪い中で、毎月の返済額が減るのは本当にありがたい」と話した。
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