2023/11/14

【経営者直伝】忘年会前に知りたい「“ROI”を高める飲み会術」

NewsPicks Brand Design / Senior Editor
  心置きなく大人数で集まれるようになった2023年。

 そんな年の締めくくりに、久々の忘年会シーズンがやってくる。約4年ぶりに、費用や時間を“投資”して参加する忘年会こそ、せっかくならビジネスチャンスとして活用したいもの。

 “投資対効果”を高める会食術を教えてくれたのは、三星グループ代表取締役社長の岩田真吾氏だ。
 岩田氏は、岐阜県羽島市にある1887年創業の素材メーカー「三星グループ」の5代目社長でありながら、2021年からは産業観光プロジェクト「ひつじサミット尾州」の代表発起人として、延べ3万人強を動員した実績を持つ。

「仕事上のコミュニケーションに食は欠かせない」という岩田氏は、会食や忘年会にどのような姿勢で臨んでいるのだろうか?

“令和の飲み会”は、昭和とは別物

──飲み会や会食と言えば、互いに親睦を深めたり労ったりするものというイメージが強いです。ビジネスチャンスにはつながるものでしょうか?
岩田 会食がビジネスに果たす役割は大きいと思います。
 ただし、短期的な利益を取りに行く場ではない。中長期的な友好関係につながる良質な出会いの場になり得る、というのが僕の考えです。
1887年創業の素材メーカー「三星グループ」の5代目。慶應義塾大学を卒業後、三菱商事、ボストンコンサルティンググループを経て2010年より現職。欧州展開や自社ブランド立ち上げ、ウール再生循環プロジェクト等を手掛ける。2019年にジャパン・テキスタイル・コンテストでグランプリ(経済産業大臣賞)受賞。産業観光イベント「ひつじサミット尾州」代表発起人。2023年からアトツギ×スタートアップ共創基地「TAKIBI & Co.(タキビコ)」をキックオフ。
 会食はコロナ禍を経てまったく性質の異なるものになりました。
 コロナ禍以前の“昭和の飲み会”は、関係性を深めていった人に何かいい思いをさせ、最後に「イエス」と言ってもらうためのクロージングの場でした。
 対して“令和の飲み会”は、オープニング。関係性をつくるための始まりの場だと思うんです。
 会議室よりも近い距離で、同じ食事をすることによって、必然的に相手と仲良くなれる。自分に対して「感じのいい人」「好意的な人」といったポジティブなタグをつけてもらうには最適です。
 だから僕は、ビジネスの機会としてすごく大切にしていますね。
──昭和の飲み会のゴールが「イエスと言わせる」だとしたら、令和の飲み会のゴールは何でしょうか?
「また会いましょう」と言ってもらえるか、ですね。会の終盤にスマホが出てきて、その場で次の日程を決められたら大成功だと思います。
 時間やお金をかけて参加する会で、“ROI”をより高くしたいのなら、恥ずかしがらずにとことん自分の話をするのをオススメします。
 ビジョンでもいいし、いま熱量をもって取り組んでいることでもいい。必ずしも仕事の話でなくてもいいんです。
 そこで「ああ、いい人がいる会社なんだな」と感じてもらえたら、企業イメージが上がるし、何かのタイミングで「協力させてほしい」と言ってもらえるかもしれない。
 そういう未来への余白が生まれるチャンスへの投資が、令和の飲み会の最大のメリットではないでしょうか。

ビジネスチャンスを生む「4つのTips」

──岩田さんは会食のお誘いを受けることも、自らお声がけすることも多いと思います。会食におけるマイルールはありますか?
 まずは、自分が本当においしいと思っているお店を選ぶことですね。
 値段は高くても安くてもいい。自分が心からいいなと思うお店でもてなす。このマイルールは、一番大事にしています。
 たとえば、僕が名古屋でよく行く「海の日」っていう居酒屋は、親父さんがうるさいくらいに話しかけてくるんですよ(笑)。
 でも刺身のクオリティがめちゃくちゃ高くて、たくさん飲んで食べてもお勘定はリーズナブル。こういうギャップがある店は、たいてい喜んでもらえるんですよね。
 自分がお誘いするときは、こんなふうに僕自身がその店や料理を熱く語れて「だから好きなんだよね」と言えるようなお店じゃなきゃ、と思っています。
──よくある「事前に相手に食べたいものをリクエストしてもらって、参考にする」というお店選びはどうでしょうか?
 それならば、相手の苦手なものだけを聞くのがオススメですね。
 僕は東京では「羊SUNRISE」というジンギスカン店を重宝していますが、羊肉は苦手な方もいるので、念のため確認するようにしています。
 そのとき「食べたことない」なんて返答だったら、大チャンス。「じゃあ、人生で一番おいしい羊を食べましょう」とお連れします。
 相手の食べたいものがあれば、それを次の約束にすればいいんです。
「おいしい店で楽しく飲んで食べて、僕に『いい人』のタグがついたなら、自然と『次、いつ行きましょうか?』という話になるはずです」と岩田氏。
 コロナ禍以降、何もかもオンラインで済むようになり、仕事で遠くまで足をのばす機会が減りましたよね。
 でも「食」は、わざわざ遠方まで足をのばしてもらえる理由になり得ます。
 だから僕は、どうしても三星グループ本社のある岐阜まで来ていただきたい相手には、3つの魅力を用意します。「自分」という人間の魅力と「オフィス」の場の魅力。加えて、現地の「食」という魅力を上乗せしてアピールするんです。
──「食」は相手に動いてもらう価値があるもの、と。ほかに会食で大事にしていることはありますか?
 時間をかけて、お店との関係を築いておくことですね。
 先ほど例に挙げた「海の日」や「羊SUNRISE」は僕が頻繁に通っているからこそ、親父さんやオーナーさんとの信頼関係ができている。大切な人との食事も、安心して楽しませてもらっています。
 行きつけのお店なら「この料理、評判よかったですよ」「これは少ししょっぱかったです」とフィードバックもしやすい。お店側も喜んで、次はさらにいい会にと工夫してくれるので、関係がさらに深まります。
 メニューにないものを出してくれたり、こちらのリクエストにも柔軟に応えてくれたりするようにもなる。
 そうすると、連れていった相手に喜んでもらえるし、「岩田さんと一緒だったから特別な体験ができた」というポジティブな印象も残る。
 楽しい食事の場をつくるための、時間をかけた積み重ねが大切なんです。自社でBBQをするときも、僕は手を抜きません。
──え、会社でBBQですか?
 三星グループのオフィスは庭が広いので、お客さんがいらしたときに、BBQでおもてなしすることがあるんです。
都市圏にはないコミュニティの価値として、本社敷地内の庭を活用。BBQや焚き火ができるほか、フィンランド・サウナ・アンバサダーとしても活動する岩田さんが、屋外サウナスペースも設けている(画像提供:三星グループ)
 岐阜の名物を焚き火で炙ったり、地元の郷土料理を盛り込んだり、コースを考え抜いています。
 一度やってみると、反省点や改善点が見える。会を重ねるごとにクオリティが高まるばかりで、うちのBBQを体験した人は「すごい!」と目を輝かせて喜んでくれますね。
 会の準備に時間をかける。その経験を蓄積して次に活かす。そうすると、会食のROIはどんどん高まっていきます。
──ビジネス相手との会食以外に、社内でも飲み会は活用していますか?
 ここ2年ほど、社内ではほとんど開きませんでした。けれど、あるカンファレンスに参加したとき、勢いのあるベンチャーの社長ほど、社員との食事の時間を大事にしていると知ったんです。
 それ以来、社員たちとのコミュニケーションとして、食事の場を重視するようになりました。
 月一で、行きつけの焼鳥屋に行く日を設定しています。社員が構えてしまわないように、1対3ぐらいで行きますね。
 僕がお手本にしている社長さんたちは、社員だけではなく、採用候補の“口説き”や採用後のリテンション、なかには、入社を断られた人材と継続的に交流し続ける機会として、食事の場を有効活用されている人もいました。
 僕もそれに倣って、採用候補の方とランチをしています。食事をしながら「入ったらどんな仕事をしたい?」と聞いたり、僕のことを知ってもらう機会にしたりしています。
 それから最近よく、経営者同士の会食の席に、うちの若手を連れていくようにしているんです。
──それは驚きです。なぜ若手を会食に?
「こんなにコスパのいい人材育成の場があるだろうか」と思うぐらい、若手が成長してくれるからです。
「こういう社内と社外が交わる飲み会こそが、“高ROI”なんです」
 僕が社外の方とどんなふうにコミュニケーションを取っているのか。経営者たちが何を考え、どう仕事をしているかを目の当たりにして、刺激を受けるみたいですね。
 中堅リーダーを中心に、インターン生に同席してもらうこともありますが、「学びしかない」「あの夜は最高に勉強になりました」と言ってくれます。
 忘年会も、社外とのコミュニケーションの場としてもっと活用してもいいですよね。仲のいい会社と共同開催して、2次会は社内のメンバーで、というように。

今年は関係性を紡ぎ直す“紡年会”に

──楽しい飲み会や忘年会も、いくつも重なると体調管理が難しくなります。
 40歳を超えて健康が気になり始めました。食べ過ぎ・飲み過ぎがないように気をつけていますが、僕が食事の席を楽しんでいないと、相手の方も楽しめませんよね。
 その意味では、糖分や脂肪の気になる食事と一緒に使える「賢者の食卓 ダブルサポート」は頼りになりますね。
トウモロコシ由来の食物繊維の働きで、糖分や脂肪の吸収を抑え、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇を穏やかにする。
 最近は会食の黄金ルートとして、時間があればまず一緒にサウナに入ってから、お店へ向かうようにしているんです。
 ひと汗かいた後の食事とお酒は格別。ただ、サウナ後は消化・吸収力が高まっているので、いわば諸刃の剣なんです。
 食前に飲むタイプだと飲み忘れちゃったりするんですけど、食事の際の飲み物やスープにサッと溶けて、食事の味を邪魔しないのが嬉しいですね。今シーズンは、ますます気兼ねなく忘年会を楽しめそうです。
 リモートでのコミュニケーションに慣れて、わざわざリアルで会って忘年会をしなくてもいいんじゃないか、なんて思われるかもしれません。
 でも忘年会って、疎遠になった人間関係を紡ぎ直す絶好のタイミング。会いたい人を誘う口実にしやすいんですよね。
 関係性はすぐではなく、時間をかけて必ずビジネスに効いてきます。2023年の忘年会は、ぜひそんな関係性を紡ぎ直す“紡年会”という意味でも、楽しんでほしいなと思います。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

●許可表示
本製品は食物繊維(難消化性デキストリン)の働きで、糖分や脂肪の吸収を抑えることにより、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやかにします。食後の血糖値が気になる方や脂肪の多い食事を摂りがちな方の食生活の改善に役立ちます。

●1日の摂取目安量
1食あたり1包を、お飲み物に溶かして食事とともにお召し上がりください。1日3包が目安です。