Michael S. Derby

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は3日、米経済の現状況を踏まえると、一段の利上げはもやは必要ないことが示されていると述べた。

ボスティック総裁はブルームバーグのテレビのインタビューで「経済成長は緩やかで着実な軌道にとどまると予想している。このまま推移すれば、インフレ率を目標とする2%に引き上げるために現在の金融政策は十分に制約的だと考えられる」と述べた。

同時に「次回会合までの間でさえも、まだ多くのことが起こり得る」とし、数回の雇用統計、数回のインフレ指標を経て、経済で何が起きているのか、より良く把握することができるとの考えを示した。

朝方発表された10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比15万人増と、市場予想以上に減速した。平均時給の前年比での上昇率は約2半ぶりの低水準に、失業率は3.9%に上昇し、2022年1月以来の高水準となった。

ボスティック総裁は、雇用統計の内容に「満足」しており、「私の見通しと一致する水準」と指摘。「苦痛を最小限に抑えつつ、インフレを目標の2%に回帰させる取り組みに寄与する形で、FRBの政策が経済に波及し始めていることを物語っている」と述べた。

また、自身の現時点の見通しにおいて、米経済が景気後退に陥るとは考えていないと述べた。

インフレは来年下期に2%近辺に到達する見通しとしつつも、利下げが必要になる時期については言及せず、「目標に近づくにつれ、政策スタンスの水準の緩和について検討する必要があるだろう。しかしそれはまだ先のことだ」と述べた。