Noriyuki Hirata

[東京 26日 ロイター] - 東京証券取引所は26日、プライム市場とスタンダード市場の上場企業に対し資本コストと株価を意識した経営を要請していることを巡り、要請に基づいて開示している企業の一覧表を公表すると発表した。取り組みの検討・開示のさらなる促進を図る。

2024年1月15日に公表を開始し、毎月更新する予定。初回は、2023年12月末時点のコーポレート・ガバナンス(CG)報告書の状況に基づいて集計する。上場会社には、一覧表の公表を開始することや、要請の趣旨・留意点を改めて通知した。

市場では「企業は常にチェックされることになり、一時的なブームでなく、継続的に取り組みを促すことにつながりそうだ」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)と評価する声が聞かれる。「海外投資家の日本株に対する関心をつなぎとめたり、高めることにも資するのではないか」(井出氏)という。

東証は、株価純資産倍率(PBR)が1倍を超えていれば要請への対応は不要との誤解が生じているとの指摘が寄せられているとし、PBR1倍を超えている場合でも、さらなる向上に向けた取組みへの積極的な検討・対応を求めている。

ニッセイ基礎研の井出氏は、中間決算シーズンに取り組みを開示する企業が増えると見込んでいたが「間に合わない企業でも、年内に開示しようとする動きが出てくる可能性もある」と指摘している。

東証は、投資家視点を踏まえたポイントや、投資家からの指示が得られた取り組み事例なども公表する。企業の開示状況や投資家等からのフィードバックなどを半年に1回程度、集計する。