[フェニックス 6日 ロイター] - カーター米国防長官は6日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が妥結できなければ、米国の影響力とアジア・太平洋の安定が脅かされる恐れがあるとの認識を示した。アリゾナ州立大学で行った講演で述べた。

長官は、TPPはアジア・太平洋に重心を移すオバマ政権の「リバランス政策」の柱の1つであり、戦略的にも大きく理にかなうと指摘。

「海外での同盟や連携を深め、アジア・太平洋地域への長期にわたるわれわれのコミットメントを明確にする」とし、大統領に貿易交渉権限を委ねる貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法案を可決するよう議会に求めた。

その上で協議は時間切れが迫っていると指摘。TPP交渉を妥結できなければ、米国は成長市場に食い込むことができなくなり、地域を不安定にする恐れがあるとし、「こうした事態を招いてもいいのか、われわれは決める必要がある」と主張した。

長官はアリゾナから日本、韓国訪問へ出発する。