岸田首相は増税主義者か？減税転換が意外でない理由
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「歳出と税収の差、財政赤字は縮小気味であるということである。財務省は、これが拡大傾向にあることを「ワニの口」と呼んでいるのだが、「ワニの口」などどこにもない」
一般に、金融的に黒字(赤字)を続けた後にはある程度の赤字(黒字)となるのが自然と考えられている。借りた金は返さないとならないからである。もちろんこれは、企業、政府のような寿命が定まっていない主体では、かなり長期のサイクルでも許されるが、ワニの口とは「拡大」ではなく、歳出が歳入を長期的に上回り続けると解釈して良い。更に、歳出から償還(返済)を除くのは良いのだが、金利が上がり始めたら歳出の中に含めないとならない利払いが膨らむことも覚悟する必要がある。
以上の一般原則に対して、政府は通貨発行権があるので、例外だと主張する一派が出現している。しかし、歴史はそのような政府の経済運営がインフレになることを示唆しており、経済理論でもそれを裏付ける研究が進んでいる。最近のインフレは、更なるインフレに繋がる放漫財政になる事への警告と受け止めた方がいい。
つまり、最近の税収増は財政赤字を調整しようとするインフレ税なのであって、何かの成果を国民に還元するような類のものではない可能性が高い。
減税すれば、政府が歳出削減に真面目に取り組むようになり、財政が健全化するというのは、全くの屁理屈としか思えないのだが。
